ウクライナ侵攻から半年、ウクライナ国内の状況を見ていきます。ウクライナ国外への避難民が1100万人以上、ウクライナ人口の約4分の1を超えたそうです。一方、ロシアでは、プーチン大統領の支持率の高いワケは?軍事侵攻はどう終わらせるのでしょうか?専門家の分析は?スタジオで解説します。

■現在のウクライナの状況は・・・


井上貴博キャスター:
侵攻から半年となりました。まずは、ウクライナ国内の情勢はどのようになっているのでしょうか。一時期キーウがもう数時間で陥落かと言われていましたが、攻防戦が繰り広げられています。ピンク色がロシア軍が制圧したとみられる地域です。基本的にはロシアの国境沿いということになります。


最近の動きとしては、ザポリージャ原発の近くにある街「ニコポリ」で、7月中旬以降、市の中心部は毎晩砲撃を受けているようです。市場は骨組みだけになっており、タス通信によりますと、ロシア国防省(16日)はクリミア半島にあるロシア軍の弾薬庫で爆発が起き、発電所や送電線、鉄道施設などにも被害が出たとのことです。


ウクライナ国内では避難民の人数も膨れ上がっています。国外へ避難をした人は1100万人以上で、これは東京都民全員が避難したというような規模です。ウクライナの人口で考えますと、4人に1人が国外へ避難している状況です。


そして、8月24日、ウクライナでは旧ソ連から31回目の独立記念日を迎えました。
20日、ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアは今週何か特別に醜悪なことをやるかもしれないということを全員が認識すべきだ」とし、ウクライナの独立記念日などをターゲットにして攻撃を激化させる恐れがあるとしています。


23日、ウクライナにあるアメリカ大使館は数日中にロシアが民間インフラや政府機関を狙った攻撃を行う準備を進めているという情報があると発表しました。


また、ロイターによると22日から25日にかけて、首都キーウでは砲撃再開の可能性を踏まえて、独立記念日関連のイベント禁止という措置をとっています。

■ウクライナ・ビンニツァからの中継


秌場聖治記者:
今のところ、主要都市にミサイルが落ちるようなことは行われていません。ただ先ほども、空襲警報が鳴りました。こうした警報はアプリなどで見られるのですが、ほぼ全域に空襲警報が出ています。我々も防弾チョッキを着用して中継をしています。

私も開戦直後にウクライナに入りましたが、そのときはロシアが何をするかわからないという状況でした。当時は一気に緊張が高まっていたのですが、現在はロシアが何をするかわからないものの、少しずつ、ここまではするかもしれないけど、ここまではまだしないだろうというようなことがわかってきています。人々もそれに合わせて、日常を取り戻しつつあります。ただ活気があるかというと、それとは程遠い状況です。

井上キャスター:
中継の様子では、皆さん普通に生活してらっしゃるように感じますが、外出を控えるなどの状況ではないのでしょうか?

秌場記者:
もちろん外出を控えてらっしゃる方もいらっしゃると思いますけれども、やはり空襲警報が鳴っなっていても、その都度、隠れていては生活が成り立たないですし、精神的にも成り立たないということで、特にここウクライナ中部に関しては、攻撃というのはそこまで頻繁ではないですし、珍しいです。地域によって当然グラデーションはありますが、ビンニツァでは一見穏やかに見えます。それでも戦争とは隣り合わせの状況にあります。

■ロシア国内ではプーチン大統領の人気は高止まり


井上キャスター:
独立系世論調査機関のレバダセンターの調べによると、侵攻前の2月の支持率プーチン大統領の支持率は71%でしたが、侵攻後はむしろ80%台に上がりました。

ロシア国民は
「支持します最後までやりとげてください。」
「(軍事侵攻は)遅かれ早かれ起こるはずだった出来事です」
と言っています。