国道58号沿いにある恩納共同売店。店内には野菜や、お肉などの食品や、生活に必要な日用品がところせましと、並んでいます。一見すると、普通のスーパーに見えますが、一体何が、世界一のスポットなんでしょうか?

「世界一大きい共同売店です。」
恩納共同売店は、1階から2階まで多種多様な商品が取り揃えられている、沖縄で一番大きい共同売店と言われています。
恩納村共同組合 又吉薫組合長
「この恩納区というんですが、区民が主体になって出資をして、その資本金を元に日々の日用品雑貨と、特にそういうものを中心に、今風で言えば買い物弱者だとか、難民だとか、その辺の解消のために相互扶助の精神で先人たちが作り上げてきたものが脈々と今まで続いているということです。」

買い物をするにも苦労した時代、共同売店は地域住民がお互いの生活を支え合うために生まれました。その運営方法は沖縄独自のものと言われています。
恩納村共同組合 又吉薫組合長
「共同売店と言う組織は、沖縄しかないということで、規模的には沖縄一だと思うんで、ですから、私は世界一の共同売店と言っています。」
そんな世界一のお店を、當山貢店長に案内してもらいました。
恩納共同売店 當山貢店長
「こちら、ありますように、地元野菜です、地元の方が作って出されています。地元の方30名くらいが出荷しています。いまの時期ですとゴーヤーとかナーベラーとか、マンゴーの方も良く出ています。」
店頭に並ぶ野菜の値段は、農家自らで決めていて、早く売切れてほしいと、安めの価格設定が多いそうです。
続いてのおすすめがこちら。
恩納共同売店 當山貢店長
「自家製総菜で、毎日400~500個くらいは売れています。大きいお弁当も人気なんですけど最近は小さい手ごろなやつとか、100円そばとか観光客の方とか、百円そばとか買っていきます。」
総菜やお弁当などラインナップは40種類以上、毎日午前5時から店内で手作りされていて、地元客から観光客まで、幅広い層が買いにやってきます。

買い物客
Qなんの弁当が好き
「カツとかいろんな野菜とか入っているんで美味しいです。」
Q何がおすすめ?
「100円そば、これですね、100円そば。」
人気の商品がある一方で、あまり売れない商品も…。その1つが、この体操服や紅白帽です。
恩納共同売店 當山貢店長
「これは地元の恩納小学校の父母の方からの依頼で、ここに置いて貰わないと、大手のスーパーまで買いに行かないといけないということで、こちらで用意しています。このほかに仏具、農機具、肥料なんかもそういう風になっています」
実は恩納村は大手スーパーが1店舗もない“スーパー空白地帯”。中にはこんなものも販売しています。
恩納共同売店 當山貢店長
「鳥のエサもですね、農協さんで買うと、大きい袋で来るので、一旦小分けで、販売してもらえると助かるなということで、こういう風に置いています。あと年に1回、青年会主催で納涼祭りがあるんですけど、そのときに生ビールが大好評で、その時以外年中通して、生ビール飲みたいなってことで、おいてくれってことで起きました。」
売り上げは1日に10杯程度、夕方になると地元客や観光客がのどを潤しにやってくるそうです。地域のために、出来ることは何でもするという恩納共同売店。地元の人にとって、どういう存在なのでしょうか?

地元客
「どういう存在って昔からあるもんだから、なかった困るし、この部落では大事な店」
「車がないお年寄りとかもいるので、そういうときは対応もしてくれるスタッフの方が、凄く助かっていると思います。本当に知っている人だったら、お家まで届けてくれたり、親切心があって良いと思います」
恩納村共同組合 又吉薫組合長
「地域に根差した、地域の共同売店ですから、沖縄の方言では、『わったー売店』ですから、相互扶助でみんなでやっているんで、赤字にするとなくなるから、儲けるわけにもいかんから、基本的にはとんとんであればいいと、1円儲けて、1円損しないでおこうということで」
恩納共同売店を訪ねると、地域に愛され、ともに支え合うゆいまーるの精神に出会うことができました。