こちらは事件を後世に語り継ぐため2010年に開館した花岡平和祈念館です。

川田さんが施設を運営するNPO法人の理事長を務めています。

(川田繁幸理事長)
「過去の事実を直視するというのは、最終的には本当の意味での友好交流を作っていくことです」「各地で同じような事例があると思うので、関心を持って調べてみてほしい」

2024年の慰霊式には中国から2人の遺族が参列しました。
周長明さんはこの地で祖父を亡くしました。
家族を失った悲しみは何年経っても癒えることはありません。

(周長明さん)
「私も孫が出来ました。毎年の正月、清明節に子どもや孫を連れて先祖のお墓参りをするときに、祖父の墓を見るたびにかつて私の家族が日本の軍国主義によって受けた被害を思い出します」

それでも大館市で市民が続ける追悼は、確実に両国の友好関係の一助となっています。
張恩龍さんが慰霊式に参列するのは今回で10回目です。

(張恩龍さん)
「新型コロナウィルスの影響で来られなかったが、大館市では市民の皆様が毎年必ず慰霊式をやってくださっていることに、私たちは本当に感謝しています」

終戦と花岡事件の発生から2024年で79年。

平和を築くためには過去の事実から目を背けず向き合うことが大切だということを大館市花岡地区の取り組みは伝え続けています。