道路の亀裂について松山市は「今月1日になって緊急性を認識した」という説明を繰り返しています。複数の市民からは「6月下旬以降、広がっていった」という証言もあり、真相が気になるところです。

そして緊急車両用道路と今回の土砂災害に関連はあるのか―。検討委員会の委員長を務める愛媛大学の森脇亮教授は、直接的な影響はなかったのではないかと、現時点では分析しています。その上で、道路の傾きやひび割れが土砂災害の前兆だった可能性があると指摘しました。

森脇教授
「緊急輸送道路の擁壁が傾いてひびが入ったり変状が起きたりということ自体が、地盤が少しずつ緩んだり崩れたりすることの前兆現象みたいな形になっていたと思うので、工事そのものが影響していたことはないんじゃないかと思っているが、変状が見られたことは前兆現象としてとらえられるものだったのでは」

また、7月28日に愛媛大学で開かれた報告会では、大学院農学研究科の木村誇助教が、土砂崩れの起点は擁壁周辺ではあるものの「撤去された擁壁の後ろにあった盛り土が崩れたとは考えにくい」と推測しています。

この緊急車両用道路については、整備に伴い水の通り道が変わったことによる影響なども論点となりそうです。会合はあと4回開かれ、土砂災害発生のメカニズムや再発防止策などが話し合われる予定です。