宿泊費などを助成する、いわゆる都民割「もっとTokyo」が9月1日に再開されます。感染者数は高止まりの状況が続いていますが、これまで苦境に立ち続けていた観光業界の方からは「需要の喚起につながれば」と再開を歓迎する声が聞かれます。どんなプランが登場しているのか、取材しました。
8月22日、東京の新型コロナの感染者数は1万5085人。感染状況が厳しい中で、9月から再開するのが、宿泊費などを助成する“都民割”「もっとTokyo」です。
都民が旅行する際、6000円以上の宿泊で1泊あたり5000円が補助されます。ワクチンを3回以上接種した人や、検査で陰性が確認された人などが対象です。
星野リゾートが展開するホテル「OMO3(オモスリー)東京赤坂」では、お得な宿泊プランをつくったそうです。
著名人にも愛される、手土産の名店が数多くある赤坂。その中から、8店舗の厳選スイーツが詰まった特別ギフトボックスがもらえる「赤坂スイーツ満喫プラン~8種類のスイーツBOX&朝食付き〜」です。

赤坂を代表する老舗の「とらや」からは、手土産として人気のおしるこ「白小倉汁粉」。和三盆糖を使った柔らかな甘みが、小豆の風味を際立たせます。
他にも洋菓子の名店「しろたえ」からは、フルーツがぎっしり入った焼き菓子「ガトーピニョン」も。この詰め合わせだけでも3000円以上はするというこの宿泊プラン。
サンドイッチとコーヒーの朝食付きで一泊9750円(2名1室利用分の1名料金)ですが、5000円の補助が出るため、半額以下の4750円で泊まれるんです。ちなみに、18歳までの子どもは、さらに追加で1000円補助されます。

オペレーションマネジメント OMO担当 照井太陽さん
「ホテルだけではなくて、いろんな業種の人たちにも、何らかの恩恵があるというのがいいなという思いから準備を進めていたプランです」
さらに、黄色いバスでおなじみの「はとバス」も“都民割”「もっとTokyo」の再開を歓迎していました。
はとバス広報室 棟近美南さん
「都民割が再開することで観光需要の喚起につながることを期待しています」
はとバスでは、前回の今年6月、“都民割”プランの1つに、東京タワーの展望デッキで景色を楽しんだあと、船に乗って東京湾クルーズを満喫する日帰り旅行を設定。“都民割”は、3000円以上の日帰り旅行で1回2500円が補助されるため、このプランは通常5500円ですが、3000円に値引きされました。

前回、こうした“都民割“のプランは、予約受付の当日に、すべて完売したといいます。いま、検討しているプランは…
はとバス広報室 棟近美南さん
「かなり発売までタイトなスケジュールではあるんですけど、いま準備を進めている段階で…」
急きょ決まった“都民割“の再開に、現在旅行プランの作成を急いでいるといいます。9月は、3連休が2回あるため、さらなる観光需要の増加に期待していました。

一方で、都民からは、感染が収まらない中での“都民割“の再開に、さまざまな声が聞かれました。
80代男性「援助してくれることがうれしい。ぜひ何回でも行きたい。楽しみです」
20代女性「(感染者数が)また増えそう」
20代女性「大賛成とは言えないのかな。コロナがまだ落ち着いていないという現状があるので」
こちらは東京・浅草で人力車を運営する「時代屋」。“都民割”で観光客が増えることは期待するものの…
人力車 時代屋 碓井雅大主任
「何かクーポン券が付属してるわけではないので、私どもに直接的な効果っていうのはあまり感じられなかったかなっていうのが正直なところです」

“都民割”の対象となるのは、宿泊や日帰りのツアーのみのため、観光で使えるクーポン券をセットにしてほしかったと話します。さらに…
人力車 時代屋 碓井雅大主任
「やはりもっと地方からのお客様が、帰ってきてほしいなというふうには思ってます」
感染状況が落ち着いて、全国、そして海外の観光客が浅草を訪れる日を心待ちにしていました。果たして、全国を対象とした旅行の割引が再開する日は来るのでしょうか。