わずかな乾きもNG…“細かすぎる”こだわり

日中のパレードのため、チェックやリハーサルは日の出から開園までの間に急ピッチで行われます。岡本統括プロデューサーも、パレードのコースを細かく見て回ります。

チェック中の岡本さんの目についたのが、コース沿いの建物上部から吹き出す水。

同行したTHE TIME,重松文部員が見たところ、ゲストが建つ歩道も、フロートやクルーが通る道も十分ずぶ濡れの状態ですが…

岡本統括プロデューサー:
「まだですね。まだ調整が必要です」

建物からの水の勢いが強く、ゲストを通り越してクルーの方に水が当たり過ぎていると指摘。
さらに、「あのような乾いたところが嫌なんですよ。ダメです」と指さしたのが、建物脇のわずかに濡れていない部分。

数十センチの隙間でもとにかく全部ずぶ濡れになるよう、スプリンクラーの角度や水の量を毎日、開演前に微調整しているのです。

このこだわりに、ガッツリずぶ濡れになったゲストも大興奮!

女性ゲスト:
「バリバリパワーアップしている。水の量とみなさんの活気がすごい」
男性ゲスト:
「一番パワーが上がっているのが水の量、水の量です」

もう1つのこだわりは「一体感」

さらに、今回のパレードへのこだわりはもう1つ。

岡本統括プロデューサー:
ゲストとの一体感。我々のやりたいパレードをやって、『じゃあこれ見てください』ではなく、ゲストが参加してくれて初めてこのパレードが完成する」

全員を巻き込み、みんなで濡れることで、ゲスト・クルー・キャラクターが一体に。
ゲストを巻き込むためには、絶対欠かせないポイントがあるといいます。
それは、ゲストに何をしていいかを的確に伝えること。

「パレードが来てフロートなどが動いている時、『えっ?今シューターを打っていいの?』とゲストが戸惑うと中途半端な感じになって一体感が生まれない」

今はダンスを楽しむ時、水の打ち合いを楽しむ時とわかるように伝え、クルーたちはゲストに合わせた煽り方を工夫。盛り上がるシーンではBGMもチェンジします。

タンクが内蔵されたフロートは事前にプログラミングされ、音楽にあわせ決まったタイミングで決まった量の水が噴射されるのですが、ここでもクルーの動きが重要になるといいます。

岡本統括プロデューサー:
「人が操作するところはタイミングがズレるところも出てくるのでそこも練習」

全てのタイミングを合わせないと上手くいかないと話します。

さらに、マニュアル通りにいけばOKということではなく、日々変わるゲストの動きも注視。日によってゲストが多い場所、少ない場所が変わるため、どこを狙うか見定めなくてはいけません。

岡本統括プロデューサー:
「実際にやるクルーの判断が大事になってくるので、変なルールに縛られずに臨機応変に対応してくれと伝えている」

毎日パレード会場でゲスト一人一人の様子を見ているという岡本さん。パレードが終わった後のゲストの笑顔が、最大の活力になっているといいます。

9月1日まで開催の「NO LIMIT!サマー・スプラッシュ・パレード」。
ちなみに、濡れた後でも遊べるようパーク内には着替えスペースが設けられています。