ツキノワグマと人との共生を目指した、岩手県と有識者らの協議会が19日開かれ、2025年度のクマの捕獲上限数を796頭とすることを決めました。

これは岩手県内に生息するツキノワグマの生息数を管理し、人との共生に役立てるため、県が学識経験者や猟友会などに依頼した構成員によって開かれるものです。
2024年も春先からクマの出没が相次いでいて、2024年度のクマの出没数は6月末時点で1439頭と、過去5年間では昨年度に次いで多く、人身被害もきのうまでに5件5人に上っています。

こうした状況を受けて県は来年度の捕獲上限数を今年度と同じ796頭とすることを提案し了承されました。
一方、構成員で岩手大学の山内貴義准教授からは昨年度に捕獲されたクマ898頭のうち2割に当たる188頭がシカやイノシシの罠に誤ってクマがかかった錯誤捕獲であることを課題として挙げました。

(山内准教授)
「錯誤捕獲することによって、ハンターがけがをする事例も全国的に起きています。錯誤捕獲は減らさなければならない。そういった取り組みも県で今後検討していくということだったので」
相次ぐ街中でのクマの出没とあとを絶たない被害一方で、未だ十分に明らかになっていないクマの生息状況。
クマと人の暮らしの長期的な共生に向けた議論は今後も続きます。