リーダーは「決意をもってともに進む道を示す」

―――女性活躍については?
 男女雇用機会均等法が施行されてからさまざまな制度改革などの取り組みをしてきました。取り組みが始まった当時は、新入社員の1割くらいが女性社員でまだまだ少なかったんですが、最近では男女比が半分になってきましたので、労使で「働きがい推進委員会」というのを定期的に開いていまして、その中で忌憚ない意見を戦わせて、男女を問わず社員にとって有効な施策を実施することにも取り組んでいます。

―――思い描く社長としての夢は?
 デジタルの活用で実現するDXと、パッケージの世界などで環境にやさしいものをしっかり作って届けるサステナブルな地球を作っていくというSXの領域ですね。会社の中身をしっかり変えていき、働く従業員やその家族のみなさんに「働き甲斐のある、働きやすい会社だな」と思ってもらえるような形にしていきたいというのが、いまの私の思いですね。

―――最後に、齊藤さんが考えるリーダーとは?
 決意をもってともに進む道をしっかりと示す。そういったことを常に身をもって説明できるようにしたい。それがリーダーだと思っています。

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■TOPPAN 1900年に凸版印刷として創立。大蔵省印刷局で紙幣の印刷指導をしていたイタリア人から技術を学んだ2人が、当時の先端技術「エルヘート凸版法」を用い、出資者3人とともに印刷会社を始める。1959年「エルヘート凸版法」で培った金属加工の技術を応用し、トランジスタラジオの主要部品の国産化に成功。1980年代にはICが埋め込まれたカードやレトルト食品などに使われる遮断性や保存性が高い機能性フィルムなどを開発。グループ連結売上高1兆6000億円、従業員5万人余り。

■齊藤昌典 1960年神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、1983年に入社。2015年取締役西日本事業本部関西情報コミュニケーション事業部長、2018年常務西日本事業本部副事業本部長などを経て、2023年TOPPAN社長就任。

※このインタビュー記事は、毎月第2日曜日のあさ5時30分から放送している『ザ・リーダー』をもとに再構成しました。『ザ・リーダー』は、毎回ひとりのリーダーに焦点をあて、その人間像をインタビューや映像で描きだすドキュメンタリー番組です。