トランプ氏「ドル安=円高」志向も…エコノミストは「円安に向かうのでは」と見立て

小川彩佳キャスター:
トランプ氏が再選した場合の経済への影響について、特に私達の暮らしに直結する「食費・海外旅行」「電気・ガス代」「賃金」はどうなる可能性があるのでしょうか。

藤森祥平キャスター:
食費や海外旅行に大きく影響するのが円安です。17日夕方、為替市場に動きがありました。1ドル=158円58銭から、一気に156円10銭となり円高にふれました。

23ジャーナリスト 片山薫:
この動き、トランプ氏がブルームバーグ社のインタビューに対し、「円安・ドル高を是正すべき」と発言したことがきっかけではないかといわれています。

小川キャスター:
この発言がきっかけというのは、どういうことですか。

23ジャーナリスト 片山薫:
トランプ氏は元々「ドル安」志向で、日本にとっては「円高になるべき」と考えています。

アメリカの輸出企業にとっては、ドルが安い方が世界に物を売りやすくなるため、それによって貿易赤字を解消しようという考えです。

小川キャスター:
もし、トランプ氏が大統領になった場合、円高に進んでいくということなのでしょうか。

23ジャーナリスト 片山薫:
3人のエコノミストに話を聞いたところ、3人とも「円安に向かうのではないか」としています。

トランプ氏の「関税引き上げ」「減税」は、日本が円安に進む政策だということです。
※三菱UFJモルガン・スタンレー証券 植野大作チーフ為替ストラテジスト、第一生命経済研究所 星野卓也首席エコノミスト、大和証券 末廣徹チーフエコノミストによると

関税を引き上げれば、輸入大国(アメリカ)としては、物価が上がる可能性がある、減税をすれば消費は増えるかもしれないが、物価が上がることになり、そうするとドル高、日本にとっては円安になるのではないかという見立てです。

小川キャスター:
「円高」を望んでいるという発信をしていますが、政策は「円安」に進んでいく可能性が高いということですか。

トラウデン直美さん:
矛盾はありますが、これまでを見ていると内向きな印象なので、関税の引き上げや減税はトランプ氏らしいという感じはします。実際はどっち方向が強いのでしょうか。

23ジャーナリスト 片山薫:
両方の力が働くと思いますが、「円安になる」という見方がやや多いです。

来年ごろには海外旅行もしやすくなるのではないかと期待されていましたが、少し(先に)伸びる可能性はあると思います。

トラウデン直美さん:
まだ、海外旅行は少しハードルが高いかもしれないということですね…。