明和電機にとっての「ナンセンス」とは「常識を超える」という意味。その作品は、説明なしでは想像もつかないものばかりです。

▽明和電機 土佐信道社長
「これが最初に作った楽器ですね、原理は全く変わってない。1993年に作りました。僕は30年前、これが僕の大学院の修了制作ですね」

背中に装着できる、開閉式の楽器。この用途は…

▽明和電機 土佐信道社長
「指パッチンで木魚を鳴らす楽器ですね。中指に100ボルトのスイッチをつけましてね。ちょっと演奏してみます」

「ツクバシリーズ・パチモク」。指パッチンをすると100ボルトの電流が流れ、モーターを物理的に動かして、木魚を鳴らします。

「はい、これだけです。ありがとうございます」

デジタルの音楽が普及し、音楽が「情報」として扱われるようになるなか、「生の音」を機械で復活させる挑戦です。

▽明和電機 土佐信道社長
「生命と機械、これを合体させたかったんですが、よくよく考えてみると、機械というのは論理的に作らないと絶対に動かないと。ところが生命というのはちょっとね、不可解、不条理、ナンセンスなんですね」

生命という不可解なものを、理性の塊の機械を使って作り出されたナンセンスマシーン。電子楽器「オタマトーン」は、「歌声」を再現する機械です。

「明和電機の製品は全てナンセンスというか、ちょっとばかばかしい、ちょっとよく分からないものだと思うんですが、造りはしっかりしております」

「どうやって思いついて、どうやって作ってきたかという、そういうスケッチとか試作品の展示もありますので、あぁ。こうやってできるんだというのを体験してもらえたらなと思います」

展覧会では、結成から30年をむかえた明和電機のこれまでの軌跡をたどり、アイディアをアート作品として形にしていく一連の過程を見ることができます。

▽明和電機 土佐信道社長
「凝り固まった常識をナンセンスにしてみよっ!う~んっ、キテレツ!」

明和電機ナンセンスマシーン展は、9月16日まで県立博物館美術館で開催され、8月と9月にも製品説明会とミニライブが予定されています。