ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から半年。

愛知県安城市に避難してきた夫婦は19日、名古屋の女子高校生に「ある思い」を伝えました。言葉の壁に直面した夫婦のメッセージです。


(ウクライナ・キーウから避難したリディアさん)
「楽しい人生を送っていたけれど、あの日を境に人生が真っ二つに分かれました」

心の傷は…まだ癒えません。ことし4月、ウクライナの首都・キーウから安城市に避難してきた、ルスランさんと妻のリディアさん。

夫婦は19日、名古屋市東区のの金城学院高校を訪ねました。日本の高校生にどうしても伝えたいことがあったのです。



(ウクライナ・キーウから避難したルスランさん)
「一番大切なのは、言葉です。特に英語が有効です」
(リディアさん)
「語学を勉強することがとても大事です。私たちのような経験をしてほしくないから」


日本で暮らして4か月。何度も「言葉の壁」に直面してきたルスランさん夫婦。
翻訳機も万能ではなく、なかなかうまくいきません。

就職先のレストランでも…。

(リディアさん)
「お・ま・た・せ・しました。ボルシチです」


懸命に覚えた日本語で接客していますが、まだ慣れていないといいます。

(ルスランさん)
「いまも言葉が心配です。日本語が話せないので、生活費を養えるかどうか…」

一方、日本の英語力ランキングは112か国中78位。先進国の中でも最低レベル。夫婦は、「日本の高校生には自分たちと同じ思いをしてほしくない」と、言葉を学ぶ大切さを伝えたかったのです。

(翻訳機でのルスランさん、リディアさんと高校生のやりとり)
「あなた好きな料理は何ですか?」
「温かいお味噌汁です」

いつか翻訳機がなくても、気軽に話せるようになりたい。それがルスランさん夫婦の思いです。

(金城学院高校3年 川崎有香子さん)
「日本にはあまり(戦争)は関係ないのかなと思っていたが、話を聞いて同じ空の下に生きている私たちも主体的に行動していきたいと思った」