百条委 寄付金還流、課税逃れ指摘

今回の報告書で何が明らかになったのか、詳しく見ていきます。

まず全体の仕組みですが、企業版ふるさと納税として、およそ4億3200万円が、東京のDMMグループから匿名で寄付がありました。これを財源に「高規格救急車」を町が所有し、貸し出す事業で、町は宮城県のワンテーブルと委託契約を結びます。そして、ワンテーブルはDMMグループ会社などに、救急車の製造を発注しました。そのため、同じグループ内で、寄付金が還流したのではないかということや、寄付額のおよそ9割の税負担が軽減されるため、課税逃れとの指摘もあります。

百条委員会では、ほかにも、不自然な点を指摘しています。事業を公募する際の救急車の「仕様書」ですが、これは専門知識を持たない町の職員が作成しました。細かい仕様が指定されていることなどから、報告書では、「特定企業に誘導することを視野に進めていたのでは」と指摘しています。

また、開発から製造までの期間が4か月という契約でしたが、「通常はあり得ない異様に短い期間」と指摘。そして、契約前に企業側が救急車を製造していたこともわかりました。

百条委員会の佐藤孝委員長は、そもそもの発端となった「企業版ふるさと納税のあり方を考え直すべき」と訴えています。企業と自治体の関係や公平性とは何かを改めて考える必要がありそうです。