観葉植物の世話をする2人。今年、4月にネパールから沖縄にやってきた、ライ・バル・クマルさん23歳とナガルコティ・アシャカジさん25歳です。


Q仕事はどうですか?
ナガルコティさん
「仕事は毎日おもしろいです。みんな優しいから。みんな一緒に仕事をしていますから、楽しいです」

ライさん
「仕事はいっぱいありますから、まだ習っていない仕事もあります」

うるま市にある観葉植物の生産などを行う企業で働く2人は、ネパール出身者としては県内初となる農業分野の特定技能の在留資格を持っています。

特定技能(1号)とは、日本国内の深刻な人手不足を補う即戦力のための在留資格として2019年に新設されました。日本語の理解に加え、専門分野の技能試験にもパスし、通算5年まで在留が可能、同じ業務であれば転職することも出来ます。

この日はハウスの中で植物をデザインする「曲げ」と言う作業を行います。

ライさん
「この曲げのやり方は難しかった」「毎日聞いて、練習して今は慣れました。今頑張っています」

沖縄にきて4カ月、農園でともに働く人は…


同じ職場の女性
「日本語が出来るので問題なく作業しています。とても手先が器用で、日本人でも教えてできない人もいるので」

福樹園 島袋真史代表取締役 
「もう自分たちより速くて上手いですよ。作業をずっとやってると」

こう語るのは、彼らのことを雇い入れた、福寿園の代表を務める島袋真史(マサフミ)さんです。


Q2人の仕事ぶりは
福樹園 島袋真史代表取締役
「とてもよく頑張ってくれますね。元気があってやる気があるのでとても助かっています。やっぱり農業って若い人が中々、集まらなくて、今回初めてネパールから特定技能という形で入れたんですけど、向こうでしっかり育てて日本語も出来るようにして送ってくれるという、そこの信頼で今回試しにちょっとネパールから採用してみようかなということでやってみました」

2人と福寿園を結びつけたのは、県出身の宮村俊一さんです。現在、ネパールで暮らす宮村さんは、現地の特定技能人材を送り出す機関で日本で働きたい人に対しての教育や日本企業とのマッチングを行っています。

Q2人の働きぶりは
宮村俊一さん
「現地での指導ということも、長期間にわたってやってきていますので、日本語力の養成、プラス本人たちの人間性、キャラクターというのも確認しながら送っていましたので、社長さんから色々と様子を聞いてみると思った通りというか、予想通りでしっかりやってくれてるなと思って安心しました」

沖縄のことをもっと知ってもらおうと、この日、島袋さんが2人を連れて行った場所は沖縄戦戦没者の名前が刻まれた平和の礎です。

島袋さん「ネパールにもこういう場所ある」
ライさん「あります、沖縄の歴史もっと学びたいです」
「これは戦争の時に亡くなった人の名前ですね、たくさんの人ですね」

福樹園 島袋真史 代表取締役
「ただ働くだけとか、ただ海がきれいというだけじゃなくて、沖縄に来てもらって、沖縄を好きになってもらうには、深いところまで知ってもらった方がいいのかなと」

異国の地で、多くの人や文化に触れあいながら農業に取り組む2人。彼らは与えられた5年の期間で多くの経験を積み、自身の成長へと繋げたいと話します。


ナガルコティさん
「将来の夢はこの仕事を上手になって、たくさんのお金を貯金したいです。機会があれば日本にずっと住みたいです。機会がなければネパールに帰国してこのような(観葉植物の)ビジネスをしたい」

ライさん
「私も長い時間こっちで働きたいです。経験を積んで私は将来、ふるさとで会社を開きたいです」

沖縄に来ておよそ4カ月。持ち前の明るさと向上心で仕事に励み、ライさんとナガルコティさんはそれぞれの目標に向かいます。