夏の高校野球岩手大会の注目校を3回シリーズで紹介する「白球を追う」。
最終回は去年の優勝チームで12回目の甲子園出場を目指す花巻東です。
今年は3年生投手を軸にした高い総合力が持ち味です。
6月行われた春の高校野球東北大会の決勝。
花巻東は延長10回のタイブレークの末、3対2で弘前学院聖愛を下し、10年ぶり2回目の優勝を飾りました。
東北王者となったチームの特徴は投手力で、その中心が2人の3年生です。
「内容の濃い練習をやっていこう」
まずは3年生右腕で最速147キロの小松龍一投手。
多彩な変化球が持ち味で、去年の夏の甲子園でも登板経験があります。
(小松龍一投手)
「(球種は)ストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップ、フォーク、ツーシームです」「四死球を出さずにどんどん厳しいコースに投げ込んで力でなくで配球だったり変化球のキレで抑えられるように」
冬のトレーニングで球のキレをみがいてきました。
豊富な球種にキレ、配球、あらゆる投球術でバッターを翻弄します。
次は春の東北大会決勝で好投した3年生左腕・葛西陸投手です。
(葛西陸投手)
「自分としてもコントロールが定まったある程度投げたい場所にしっかり投げられていたそこはよかった」
葛西投手は身長170センチと決して大きくはありませんが、最速140キロの低めのストレートと変化球の切れが抜群です。
春の東北王者に満足することなく、見据えるのは夏の甲子園です。
「春の優勝のことは忘れて夏甲子園に出ることだけを考えて一戦一戦全力で戦う」
チームの打撃のキーマンとなるのは春の東北大会でもリードオフマンとして活躍し、決勝でサヨナラヒットも打った、俊足好打が持ち味の簗田蒼汰選手です。
簗田蒼汰選手
「自分は1番バッターとしての役割が出塁。次につなげられるようなバッティングをしていければいいなと」
50メートル6秒2の俊足を生かし、チャンスを広げます。
走攻守バランスの取れたチームに仕上がった今年の花巻東。
去年の超高校級、佐々木麟太郎選手のような選手はいないものの、春の東北大会優勝におごらず、夏に向け全員一丸となり勝ち進みます。
(村上太一主将)
「昨年も甲子園で投げた小松、葛西が中心となってチームを進めていくチームとしては岩手から日本一というスローガンがある全員が弱さを自覚したうえでまず県を取りに行きたい」
第1シードの花巻東は2回戦から登場。
今月15日、きたぎんボールパークの第1試合で、盛岡四高と花巻農業の勝者と対戦します。
注目校を照会してきました白球を追う。
55チームが出場し、甲子園を目指す夏の高校野球岩手大会は、いよいよ10日開幕します。