「原子力は必要」ただし…
さらに北陸電力の原発に対する向き合い方にも問題があったのではないかと伊藤さんは指摘します。

伊藤栄次さん
「いま原子炉が停止中だから何か危機管理意識が薄くなっているのではないかという気がしている。動いている動いていないに関わらず、緊張感を持ってやらないと、さあ動きました、緊張感持てって言われても、これは無理だ。継続して持っていないと」

普段は防災士として地域の高齢者サロンなどで災害への備えを説いている伊藤さん。元日の能登半島地震の際も地域のために動いていたといいます。

伊藤栄次さん
「自分は正月で子どもたちが何人か来ていてお酒飲んでいた。4時に地震が起きたが、5時には役場に行っていた。避難者も来られていたし、役場の職員も1日は休みだから。2日にはこの町は夕方、各区に水のペットボトルを配布した。区長が取りに来られて。消防団員7人と防災士4人で振り分けをしていた」

原発の運転停止中に起きた能登半島地震。伊藤さんは、自らが建設に携わった志賀原発について再稼働してほしいとしながらも、そのためには北陸電力が確信を持って原発の安全性を証明することが重要だと話します。

伊藤栄次さん
「(原発を)動かせばいいのか、動いてくれないほうがいいのか複雑な心境です。自分たちは技術屋として一生懸命、良いものを造ったという思いがある。日本の国なんてエネルギーがないから地球温暖化も言われているし、原子力は自分は必要だと思っている。ただし北陸電力が安全だという確信をもってやらないと。北陸電力がまだまだかな?という状態でやったら、それはまた失敗する。確信を持ってこうだというのを原子力規制委員会に提示してやらないとダメだと思う」