年金制度の5年に1度の“健康診断”といわれる「財政検証」の結果が公表されました。将来の給付水準について最新の試算が示されましたが、街の人からは、制度の“難しさ”を指摘する声も…。理解を深めるにはどうすればよいでしょうか。

将来もらえる年金は?5年に一度の年金“健康診断”

藤森祥平キャスター:
3日、今後100年の年金支給額の見通しを示す「財政検証」の結果が発表されました。これは年金の5年に一度の“健康診断”の結果でもあります。

厚生労働省は、サラリーマンの夫と専業主婦の妻を「モデル世代」として年金を試算しています。

2024年度、受け取れる年金額は月22万6000円ですが、過去30年と同様に経済成長が続いた場合、2060年度には年金額が月21万4000円と減少する試算となっています。現役世代の平均手取りに対する給付水準も現在の61.2%から50.4%と大幅に減少する見通しです。

年齢別ではいくらもらえるのでしょうか。

【モデル年金の見通し・夫婦が65歳で受け取れる年金額】
現在60歳:22万3000円
現在50歳:21万7000円
現在40歳:21万2000円
現在30歳:21万3000円

60歳の人は月22万3000円ですが、年代が下がると月21万円台になっています。

トラウデン直美さん:
前回の試算から数字は改善しているかもしれませんが、全く不安が拭えないという感覚があります。

この先も物価を少しずつ上げていくことが目標なのかと思いますが、でも(年金の給付額は)下がってしまう試算で、物価は上がって年金は下がるというのは喜ばしい結果ではないと思います。

伊沢拓司さん:
少なくなっているという点は単純に悲しいです。しかし、年金制度は障害年金を含んでいたり、DCやiDeCoも入っていたりして、複数の視点から見る必要があると思いますから、理性では目先の金額だけを見て一喜一憂したくないという気持ちがあります。感情はまた別の問題です。

トラウデン直美さん:
モデルケースが今の時代とはずれているのかなとも思います。転職やフリーランスなど様々な働き方がありますから、あまり当事者として感じられない部分もあるかもしれません。