およそ20年ぶりの新紙幣の発行ということで、ワクワクする気持ちにもなりますが、負担を強いられる側からは、困惑の声も聞かれました。
まず、券売機や自動販売機を、新紙幣に対応できるようにするためには、機械そのものを入れ替えるか、紙幣を読み取る部分を取り替えたり、プログラムを書き換えたりする改造が必要です。
これらの対応は、大手スーパーや金融機関などでは、3月までにほぼ完了しているということですが、VTRで紹介した小規模な店舗などでは、対応が追いつかないのが実情です。
自動販売機の対応状況について見ていきましょう。
飲料用の自動販売機は、全国におよそ220万台使用されていますが、愛媛県内の取り扱い業者によりますと、新紙幣に対応できるものは2割程度に留まっています。
今後2年ほどかけて、これを7割程度にまで上げる予定ということです。
愛媛県内の鉄道やバスはどうでしょうか。
JR四国では、駅に設置されているほとんどの券売機で対応が完了しているということです。ワンマン列車などで運賃を支払う両替機についても、2024年度中を目標に更新が進められています。
続いて伊予鉄道です。
駅に設置されている券売機と、市内電車(路面電車)に設置されている運賃箱、いずれも対応が完了しています。一方、路線バスの両替機は新紙幣に対応できていません。
そこで、乗客が新紙幣を両替したい場合は、運転士が旧紙幣との交換にあたるということです。
このほか、宇和島自動車のバスに設置されている両替機は、およそ7割程度が対応しているということです。ただ伊予鉄バスとは異なり、運転士による紙幣の交換は、高速バス路線を除いて、原則行わない方針です。
新紙幣しか持っていない場合は、運賃が支払えない可能性があるということですね。
対応が追いついていないところもありまして、取材に応じた会社はいずれも、新紙幣への対応が負担になっていると話していました。
その一方で、日本銀行は、自販機など一部で対応が進んでいないことを認めた上で、新札発行の狙いについてこう説明しています。
(日本銀行松山支店・佐々木仁支店長)
「国民の皆さんが偽造した紙幣を受け取って、何かそれで大きな損失を被ることや、金融システムの安定を維持する上でも今回の改刷の必要性について理解して欲しい」
銀行などによりますと、新紙幣が発行された後も当面の間は、従来の紙幣も回収されることなく、流通する予定だということです。
(7月3日「Nスタえひめ」内で放送)
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