広島国際大学 板羽 秀之 教授
「胃の中に入ってきて胃の壁に食いついていく。それによってアレルギーが起こる」


そう。アニサキスによる激しい腹痛は、アレルギーによって起こる反応の影響も大きいのです。


そして、このアニサキス、これからの時期にこそ注意が必要だそうで…。

板羽 秀之 教授
「サバなどが旬の時期、10月以降が一番多いとは思いますけど、ことしは特にイワシなどがたくさんとれていますので、それによってアニサキスの感染が多いといわれています。食中毒で一番、アニサキスが多いわけですから注目度も高くなってくると思います」

厚生労働省によりますと、去年1年間で発生した食中毒717件のうち、およそ半数にあたる344件がアニサキスによるもの。そして、アニサキスによる食中毒は年々、増加傾向にあるのです。


でも、どうして増えてきているんでしょうか?


板羽 秀之 教授
「温暖化によって海水の温度が上がって、イワシなどがたくさんとれるようになったのが、増えた原因の1つ」

そんなアニサキスへの対策に飲食店も奮闘しています。広島市中心部にある居酒屋「民宿」。毎朝、市場から直接仕入れるという、新鮮な魚を使った料理を提供しています。1番人気の盛り合わせはもちろん、姿造りなど生の魚を提供することが多いため、アニサキスと出会う機会も自然と増えるそうで…。

居酒屋 民宿 水嶋 寛興 料理長
― どんな魚に多い?
「やっぱり青物系。ハマチ・サバ・カツオあたりですかね」


― よく見るもの?
「毎日、魚をさばくので、しょっちゅう見ますよ。いたから悪いとか、そういうことではないです」


ただ、よくいるものだからこそ、魚をさばく際には細心の注意を払います。

水嶋 寛興 料理長
― これは?
「ハマチです。だいたい、ここに骨があるんですけど、血合いっていいます。血合いによくいることが多いです。きょうはいないですね。内臓を先にしっかり取って、血合いの部分を少し多めに落とすような形で。それをちゃんとしていれば、だいたい防げるものだと思っています。身にも入るものですけど、身に入ったものはさばいている段階で完全に目視で確認できますから。お客さまの口に入るものですから。ぼくたちが最後の砦なんでね。緊張感を持ってお魚を毎日、さばかせていただいております」


ただ、万が一、アニサキスを食べてしまったら、その痛みにどう対処したらいいの?

広島国際大学 板羽 秀之 教授
― 痛みを取り除くには?
「内視鏡でとるしかない。最悪の場合は外科的手術ということもある」


そんな痛み、感じたくないですよね? この夏、魚をおいしく食べるために必要なことを教えてもらいました。