政治資金パーティーとして届けのない広島県議長の「祝う会」 発起人の欄には「岸田総理」の名前

任意団体が主催する岸田総理の就任を祝う会。

実は、地元・広島県の政界では、しばしば「祝う会」という名で、政治家のパーティーが行われていた。

広島県議会の山木靖雄前議長と、現職の中本隆志議長。だが、「祝う会」の会計処理には違いがあった。

山木前議長の場合、2018年に「就任を祝う会」が開かれたが、主催は任意団体ではなく山木前議長の後援会。収支報告書にも、パーティーの収支が明記されている。

その理由について、事務を担当した息子の山木茂県議は…

山木茂 広島県議
「そういう決まりになっていますよね。そういう認識で、それにのっとった。当時、常識とされていることを、後援会の皆さんと一緒にやった。政治活動に関わるお金の動きについては、最大限そこ(収支報告書)に記載するべき」

一方、その翌年に議長に就任した中本県議。

広島市内のホテルで開かれた「祝う会」では、会場が、あふれんばかりの人で埋めつくされ、会費は一人1万円だったという。

しかし、政治資金パーティーとしての届けはなく、「祝う会」から、中本議長側に358万円が寄付されていた。岸田総理の「祝う会」と同じ形だ。

番組が独自に入手した「議長就任を祝う会」の案内状を見ると、そこには、発起人の欄に岸田総理の名前が記され、「祝う会」でもスピーチを行う姿が…

中本議長に話を聞いた。

――任意団体を作ってやってもらうやり方はどのように知った?

広島県議会 中本隆志 議長
「任意団体でやってもらうというか、祝ってもらう立場ですから。とにかく私は関係なく、集まった人たちが払ったお金のうち、余ったお金を持っておけないんで、支部の方へ寄付しましょうと。こういう流れですよね。後援会も私も通ってないんで、集めた人が支部に寄付しているだけなんで、私は関係ないです」

中本議長は、「祝う会の出席者は800人あまりだったため、報告の義務はなく、パーティーの収益は全額寄付してもらった」「裏金はない」と強調した。

中本議長のパーティーの発起人の1人は、岸田総理だったが、実は岸田総理のパーティーの発起人にも中本議長がいたことも取材で明らかになった。

岸田事務所に尋ねると…

岸田事務所
「いずれの集会も、岸田の国会議員関係政治団体の主催ではありませんので弊事務所は回答する立場にありません」