多くの方々が参画することで目に見えるような効果が現れる

この「田んぼのダム」に20年ほど前から先進的に取り組んでいるのが、日本有数のコメどころ「新潟県」です。

「田んぼダム」の取り組みを推進している新潟大学農学部の吉川夏樹教授は、従来の水害対策よりも低コストで効果が期待できるとしています。

(新潟大学農学部 吉川夏樹教授)
「1万6000ヘクタールで新潟県内では『田んぼダム』が実施されている。例えば、治水ダムを造るためには数百億円というお金がかかるが、それに対して、『田んぼダム』は既存の水田を利用するということでコストはそれほど大きくない」

さらに、吉川教授の試算では、新潟平野の場合、田んぼダムにより30パーセントから40パーセント程度の浸水面積を軽減することが可能だということです。

(新潟大学農学部 吉川夏樹教授)
「ある流域において多くの方々が参画することで目に見えるような効果が現れる。浸水を免れたい地域よりも上流で実施することが洪水軽減につながるので、上流側でやることがとても重要」