10日施行された「改正入管難民法」。外国人の送還などのルールを見直す法律なんですが、祖国で迫害を受けた人達からは不安の声が聞こえてきます。

「人生どうなる」難民申請中に強制送還も 10日施行「改正入管法」

ミャンマー出身・少数民族ロヒンギャ ミョーチョーチョーさん
「今回の入管法にどうすればいいか、結構悩まさせていて」

18年前、祖国の軍事政権から逃れてきたミョーさん。今後は強制送還となる恐れがあるというのです。

「命がかかっているんですよ、命が」

去年成立した「改正入管法」。改正前、難民申請中は本国に送還されることはありませんでしたが、改正法では、難民申請を原則2回までとし、3回目以降からは相当の理由を示さない限り、強制送還が可能になります。ミョーさんはこれまでに3回、難民申請を行いましたが、認められませんでした。

ミョーチョーチョーさん
「難民申請3回で強制送還が可能ということは、僕らの人生どうなるんですか。日々不安だらけです」

ミョーさんは母国で迫害を受ける少数民族ロヒンギャで、当時、アウン・サン・スー・チー氏が率いる政党にも所属していました。傷を負いながらも命がけで軍と対峙してきたといいます。

ミョーチョーチョーさん
「戦いを続ける中で、親友2人が亡くなっている」

拘束され、耐え難い拷問を受けたことも…

ミョーチョーチョーさん
「裸状態で何も出来ない状態で拷問されて。結構叩かれて、毎日毎日」

日本に逃れて18年。今も難民と認められていません。

日本で難民と認定されたのは202人で、認定率は2%。難民条約に批准している他の国と比べると、認定数、認定率ともに極端に低くなっています。

10日、国会前では多くの人が抗議の声を上げました。

デモ参加者
「(改正法は)排外的なメッセージを発信することと同じだと思っています」

デモ参加者
「他の諸外国と比べて、難民認定率が低いということを何も改善せずに送還しようとしている。本当に恐ろしい。亡くなる人とか出てきたら、どういうふうに責任を取るのか」

デモに参加したミョーさんは3本の指を立てていました。ミャンマーでは抵抗運動のサインです。

ミョーチョーチョーさん
「家族と平和で安定している毎日を暮らしたい。でもそれが出来ないから、日本で長年何回も難民申請を出してお願いをしている。難民申請に対してちゃんと審査をしてほしい」