中国で全国統一の大学入試「高考(ガオカオ)」が、7日から始まりました。1300万人以上による熾烈な戦いが繰り広げられますが、社会問題となっている若者の失業率の高さが、受験生にさらなるプレッシャーを与えています。
一発勝負の大学受験「高考」 史上最多の約1342万人

山内あゆキャスター:
7日から始まった「高考」ですが、受験者数は過去最多の約1342万人で、去年と比較して51万人増えたということです。

現地メディアによると、合格となる大学入学枠は約450万人だといいます。落ちてしまった人は、“仮面浪人”や高校に留年する形をとるということで、日本の“浪人生”のような形はあまりみられないそうです。
受験の点数によって入れる大学が決まり、一流大学は“一本大学”、二流大学は“二本大学”、三流大学は“三本大学”と呼ばれています。
一本大学卒業の「Nスタ」スタッフ陳さん(28)によると、「ネット通販最大手のアリババやTikTokの運営会社などは一本大学の中でも上位からしか入れないので、人生をかけた試験」だということです。
南波雅俊キャスター:
“仮面浪人”は三本大学に入りながら、次の高考で一本大学を目指すということですか。
山内キャスター:
そういうことです。また、高校3年生は夜11時ごろまで高校内で勉強することが多く、中国では一般的な塾は禁止になっているということです。

「Nスタ」スタッフ陳さんによると、試験前はかなりプレッシャーがかかるため、試験が行われる6月を「黒色六月」(暗黒の6月)といい、試験終了後は、その場で教材を破り捨ててみんなで盛り上がるそうです。陳さんの学校では火をつけて問題になったようです。
日比麻音子キャスター:
日本の大学受験も変わってきましたが、高考の熱気は毎年注目されますね。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
私たちは過去の日本の苦しみのようなものを中国に投影していて、好きな人も多いのではないでしょうか。自分がすごく緊張したことも思い出します。私は、日本の“暗記して一発勝負”という部分が嫌で、アメリカの大学に行こうと思ってどちらも受験しました。そういうつらい時代を思い出します。