「片付けなさい!」「お手伝いしなさい!」「宿題しなさい!」ーー。
ついつい、子どもにかけがちな言葉の数々・・・。子どもはその言葉をどのように捉えているのでしょうか?
夏休みで子どもと接する時間が増える今、どんな言葉をかけるのが適切なのか『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』(SBクリエイティブ)の著者、出口保行氏に聞きました。
■“どこにでもありそうな親子の会話”がSNSで話題

夏休みのとある日の昼下がり。お母さんと子どもの会話です。
飲み物が欲しくなった子どもが、お母さんに「麦茶」と言いました。
「『麦茶入れてください』でしょ」と答えるお母さん。そして、お母さんから渡された麦茶を受け取り、何も言わずに飲む子ども。そんな子どもに、お母さんは「ありがとうは?」と、また一言。
今、ある母親の、子どものしつけに関するSNSへの投稿が話題になっています。

「麦茶、じゃなくて、麦茶入れてくださいでしょ」とか、「ありがとうは?」とか、口うるさく言いすぎたかな…とか考えた時期もあったけど、先日、よその子になにか飲む?と聞いたら顔も向けずに「コーラ」と言われ、コーラを渡したらゲーム片手に無言で取られた時に「間違ってなかったな」と感じた(Twitter原文ママ)
この投稿には「いいね」の数が9万件以上。SNS上では様々な意見が飛び交っていて・・・
【SNSには共感・異論様々な意見】
▼「口うるさいかなって考えていたけど、我が子がよそのお家で『~ください』とか、『ありがとうございます』も言わずにいたら嫌だ!嫌すぎる!」
▼「『ままー!お茶ー!』と言われたら、お茶がなに?と聞きます!こういうのはクセになるので絶対直した方が良いと思う派」
▼「『ありがとう』や『ごめんなさい』の強制は、心ない子どもを育てるだけ!大人に忖度する子どもを作るだけ!」
こういう会話の経験はないか、街の人にも聞いてみると・・・
▼「正直うちでもやってるなという感じです。」(40代女性・子ども7歳)
▼「飲み物の(名前)単体だけで叫ばれることがあるので、『牛乳くださいでしょ』とか家でも言っています。」(40代女性・子ども10歳)
▼「家の中ではそんなに厳しくはしなくていいのかなというのは正直あります」(40代女性・子ども8歳)

東京未来大学こども心理学部長の出口保行氏によると、
「感謝をきちんと伝えることは習慣づけしないとできるようにはならない。親がいつも子どもに使っていれば、子どもは自然に感謝の言葉を使うようになる」ということです。
恵俊彰:
「子どもの口癖は親の口癖って言いますからね。『どこで覚えたの?』『お父さんとお母さんが言ってたから』って」
東京未来大学こども心理学部長 出口保行氏:
「そこはやはりすごく大事なところで、『ありがとうって言いなさい』、これはもう強要ですよね。(子どもは)なぜそう言わなくちゃいけないのかよくわからないまま言われている。そうじゃなくて、親がいつも子どもに対して『ありがとう』と言葉を伝える、感謝を伝えるということをしていると、子どもは『こういうことは、感謝されることなんだ』ということがわかる。その感謝を、非常に大事なことだと思う」