「唯一の方法は彼の金を使うことだった」。違法賭博による巨額の借金返済のため、ドジャース大谷選手の口座から不正に送金した罪に問われている元通訳の水原一平被告が、法廷で罪を認めました。
開廷の30分前、黒のジャケットに白いTシャツ姿で裁判所前に姿を現した水原被告。
大谷選手の口座から日本円でおよそ26億円を不正送金した銀行詐欺罪と、納税に関するうその申告をした罪に問われています。
記者
「報道陣の問いかけに答えず今、水原被告が裁判所の中に入ります」
法廷での水原被告。両手を膝の間に垂らし、背もたれに寄りかからず座っていました。時折、足は動かしていましたが、まっすぐ前を見つめ、緊張しているようには見えませんでした。
審理では、水原被告が検察側と合意している司法取引の内容を裁判官が改めて確認。本人は「イエス サー(はい)」などと淡々とした様子で答えていました。
そして、起訴内容について問われると。
水原被告
「ギャンブルで多額の借金を抱えてしまい、私が考えつく唯一の方法は彼の金を使うことだった」
その後、裁判官から答弁を求められた水原被告は「ギルティ(有罪)」と短く答え、罪を認めました。
審理は50分ほどで終了。水原被告はこれまでと同様、カメラの前では終始無言を貫き、裁判所を後にしました。
今後、注目されるのは水原被告の量刑。10月25日に言い渡される予定で、最大で禁錮33年とされていますが、司法取引により減軽される見通しです。
刑事事件に詳しいカリフォルニア州の鈴木弁護士は。
マーシャル・鈴木総合法律グループ所属 鈴木淳司 弁護士
「8年半から12年というのが妥当なレンジだと思う」
また、量刑の言い渡しには大谷選手が関わる可能性もあると指摘します。
マーシャル・鈴木総合法律グループ所属 鈴木淳司 弁護士
「今後、大谷選手が関わるとすれば、量刑の言い渡しの日に自分の意見書を出すことができる。裁判所に自分の気持ちを伝えるのではないかと思う」
大谷選手はこの後、コメントを発表。
大谷選手
「私および家族にとっても重要な終結を迎えることができました。この事件に終止符を打ち、前に進む時期が来たと思ってます」
「非常に複雑で困難な時期」だったとこれまでを振り返り、家族やチームなどへの感謝の意を示しました。
ドジャースも「翔平とチームがワールドシリーズ制覇に向け、前進できることをうれしく思う」とのコメントを発表。
メジャーリーグ機構も声明で、「MLBは大谷翔平選手を詐欺の被害者とみなし、この問題は終結した」と表明しました。
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