国の基準より厳しい基準で試験をするワケ
ーーーどんな試験だったのか、会見でトヨタが発表した一例で「後ろからの衝突実験」では、国が定める規定では1100kgのものがぶつかった場合に車体が耐えられるのかを調べます。しかしトヨタは1800kgで試験を行ってクリアをしたということなんですね。より厳しい基準でクリアしているのに不正とされたということです。これはどのように見ている?
(国沢光宏さん)これは追突の燃料漏れを試験する内容です。日本で走っている車は小さいので1100kgでやるんですけど、アメリカとかは大きな車が多いので重い車でやるんですね。重い車で燃料が漏れなければいいということで。トヨタはアメリカにも車を売っているので1800kgでやったと。これで問題なかったので、本当は1100kgとかやんなきゃいけないんですけど、時間がないとか、認証ってすごく時間がかかるので締め切りがあるので、とりあえず1800kgのデータを出してしまったと。これが不正・改ざんということになります。
ーーー1800kgでクリアしているのであれば、1100kgも普通に考えるとクリアするのではないかと感じるが、それは違う?
(国沢光宏さん)国交省は自分が言ったことを守らないとダメというのが全部の基準です。実は現場ではもう少し柔軟な対応がなされていて、例えば衝突試験するときに、右側をぶつけるのが左側をぶつけるのかどっちでもいいですよみたいな。同じなので左右。そういうこともちゃんと現場単位では行われるんですけど。例えばスピード違反は1km/h違反でもダメだと言われたら、もう厳密にやらないとダメだということなんですね。国交省が決めた手順をもってしないと絶対ダメということを今回言われているということですね。厳しい基準というのは世界基準が多いんですね。日本の車って世界でも売っているので、世界基準をクリアできるようになっているんです。それで世界基準のテストデータを出すと、これも不正・違反・改ざんということになってしまいます。なのでしっかり基本的にはやるんですけど、トヨタは20万ぐらいのテストデータがあって、その中で今回調べたら6件です。しかも10年ぐらい前のデータなので、今はちゃんとできていると思うんですけど、たまたまこういうことがあったということだと思うんですね。