― ホテルはどちらですか?
「はい、こちらになります」

― こちらがホテル?
「見た目は、完全に古民家ですけどね。客室に行くために歩いて頂いて、街の雰囲気をまず楽しんでもらうのが狙いですね」

地域に点在する空き家などを改修しそれぞれの建物に受け付けや宿泊、飲食などの機能を分散するのです。
こうした宿泊施設は『分散型ホテル』と呼ばれています。
宿泊客は、建物を移動して街や人と触れ合うことになり、課題となっている滞在時間も伸ばすことが期待されるばかりか、空き家の解消にもつながります。

【相川車座・岩崎裕哉さん】
「宿泊して地域の方とつながることで、佐渡の歴史だったりとか、いろいろな話を聞いて頂いて、佐渡を感じて頂ければなと」

建物にもこだわりがあり、佐渡を代表する焼き物『無名異焼』の窯元の建物を宿泊施設に改装する予定です。

【相川車座・岩崎裕哉さん】
「これは昔使っていた電気釜で、これはテーブルか何かにして使おうかなと」

さらに別の部屋の中には、蔵があります。

【相川車座・岩崎裕哉さん】
「こういった内蔵って珍しいので、たぶん訪れる人も初めて見るのではないかなということで…」

泊まるだけで相川の文化や歴史にどっぷりつかることができるそうです。

歴史的資源で地域活性化を目指す「相川車座」は、国の補助金などを活用し相川の中心部に宿泊施設を4か所つくりました。
いずれも世界文化遺産登録の可否が決まるとみられる7月の開業を予定しています。

相川車座によりますと、現在、相川での観光客の滞在時間は3時間ほど。
目指すのは3日間の滞在とリピーターの獲得です。