◆数多くの特攻部隊が存在

伏龍のほかにも数多くの特攻部隊が存在しました。

RKB下濱美有「水上特攻の基地は日本各地に作られました。ここ、北九州市門司区にもその跡が残されています」

北九州市門司区周防灘に面する蕪島(かぶらじま)です。

蕪島に詳しい小野逸郎さん(87)「ここに水上艇を格納していたんです。人の手で掘削してつくった壕ですね」

◆蕪島の「特攻艇」秘密基地

蕪島一帯に掘られた大きな穴は、旧日本陸軍の通称「マルレ」と呼ばれる特攻艇の秘密基地でした。

小野逸郎さん「約5メートルのベニヤ板でつくったモーターボートですね。自動車のエンジンをつけて。それにドラム缶のような爆薬を積んで敵艦にぶちあたる。ここを出て敵艦に向かえば絶対に帰って来ない作戦です。もう死ぬ以外にはない作戦ですね」

ここもまた、特攻艇が実際に出撃する前に終戦を迎えました。秘密基地だったため、資料はほとんど残されていません。

◆「敗戦間際の捨て身の作戦の一つ」

小野逸郎さん「日本が戦争したんですから。よそに攻めていったんですから、そして逆にやられ出したと。反撃を受けたということですから。そのあたりまで、さかのぼって考えるきっかけに蕪島はなる。結果として基地を作らなければならなかった、それは原子爆弾に結果としてはつながっていく問題だから、これは残さないといけん。敗戦間際のまさに捨て身の作戦の一つですから」

◆平和のために「負の歴史」を伝え続ける

「人の命で人を殺す」戦争がつくりあげた特攻部隊。篠原さんは、戦争を知らない世代に負の歴史を伝え続けます。

篠原守さん「とにかく人権無視も甚だしい。希望していないにもかかわらず、私は伏龍に行かされた。とにかく戦争はだめだ!絶対にだめだ!いかなることがあっても。私はそれを言いたい」