明美さんは、市内の老人ホームに17年間、朝食のパンを届け続けている。

▽パンを食べる施設利用者
「は~いありがと~!よっしゃ!おいしい!」
▽店主・沼野明美さん
「ホームにいたら、ご飯って絶対楽しみのひとつなんですよ。おじいちゃんおばあちゃんにとって。だったらその日焼いたもので、温かくて柔らかいパンを食べて頂きたくて。夜の11時から主人に仕込みしてもらって、その日焼いたパンをその日に届けて朝ごはんに間に合うように、朝6時までに配達してます」

”24時間閉められない” 裏には、パンの味、そして明美さんたちの人柄…様々な理由で訪れる沢山の客の姿があった。

▽お客さん
「頑張ってな」
「ありがとうございました~」

浦添市で30年以上愛されるパンの店。パンを通して町を明るく照らす、地域に欠かせない存在だった。

(取材後記)
「ヒロシ屋」では、祖母の亀島ウトさんから受け継がれた配合の小麦粉を今でも使っている。また小麦粉などを一族の店でまとめて発注するため、物価高騰などの波を受けても、パンを値上げせずに済むといった、パン一族ならではの利点もあるという。それぞれのお店には同じメニューもあるが、作る人の違いで味は変わるということで、パン好きなら食べ比べてみて違いを楽しんでみてもいいかもしれない。(取材:上江洲まりの)