改修におよそ2000万円、残る疑問「どういう目的なのか」

熊本県天草市牛深(うしぶか)はウルメサバなどで作る雑節(ざつぶし)の名産地です。

法律の改正で雑節を作るためには国の営業許可が必要となり、水産加工会社は対応に追われています。

西岡勝次商店 西岡勝太郎 社長「どうにか間に合うように工事しています」

西岡さんの会社では雑節の原料となる魚を干す場所に対策が必要でした。

西岡社長「干し場が泥(土の舗装)だったんです。魚を干すためには泥ではダメですよと県に言われて、舗装した」

その他にも海水の殺菌設備を導入するなど、およそ2000万円かけて対応します。

そもそも、法律の改正の大きな目的は製造する環境を国際基準にすること。会社の製品は海外に直接輸出する予定はないにも関わらず対応を迫られることに、西岡さんは疑問を感じています。

西岡社長「国がどういう目的で雑節などの業種を新たに『許可が必要』としたのか、あまり意図が我々に伝わっていない」

規制対象の食品は他にも

熊本県によりますと、過去に他県で漬物やだしパックによる食中毒があったため、国内で安全性を高めていくことが狙いだということです。

漬物や雑節以外にも、煮干し、しらす干し、塩辛、明太子なども6月から規制が厳しくなります。そのため今後、店頭から姿を消す商品が出る可能性があります。

地域の昔ながらの食文化は一度途絶えると戻らないので、その文化を残す取り組みも考えていきたいですね。