厚生労働省の分科会は、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した新しいワクチンの接種を10月半ばから開始する方針を決めました。

また、これまで対象外だった5歳から11歳の子供にワクチン接種の「努力義務」が適用されました。今後、接種をどのように進めていくべきなのか専門家に聞きました。

◆重症化を防ぐ効果は従来ワクチンでも期待できる

爆発的な感染拡大が続く新型コロナウイルスのオミクロン株。その対抗策として新たに導入されるのがオミクロン株の初期に流行した系統「BA・1」と従来株の成分を組み合わせた「2価ワクチン」です。

現在主流となっている「BA.5」にも効果はあるのか。長崎大学の森内浩幸教授に話を聞きました。

長崎大学・森内浩幸教授「オミクロン株に対抗できるように従来の武漢のウイルスと今度のオミクロン株を両方混ぜたものです。BA.1に対する効果に比べるとBA.5に対する効果は少なくとも抗体レベルでみると3分の1とか4分の1程度しか効かないんだろうと言われています」

厚労省の分科会

厚生労働省の分科会は8日、このオミクロン株に対応したワクチンの追加接種を10月半ばに始める方針を決めました。

ただ、新たなワクチンが登場したことで3回目のワクチン接種の遅れも懸念されています。福岡県内の年代別の接種率をみると60歳以上は8割から9割にのぼっていますが、20代は4割、30代も5割ほどにとどまっています。

長崎大学・森内浩幸教授「10月以降にオミクロン対応のワクチンが使えるようになるまでに感染する確率は非常に高いと思います。その場合きちんと4回目の接種をしておけば重症化を防ぐ効果は今のワクチンでも十分に期待できます」