
もう1人の店員、鶴丸高校1年の初田心音さんです。中学生のころ生徒会長を務めていましたが、きつ音の症状が重くなり悩んだといいます。
(鶴丸高校1年 初田心音さん)「いつもなら言えることが言えなくなって、人前に立っていたけれど時間がかかっちゃうこととか、申し訳なかった」
それでも大好きな「人と話すこと」を諦めたくないと、カフェへの参加を決めました。
(鶴丸高校1年 初田心音さん)「不安もあるけれど、人と話すのがとても好きなので楽しみ」
時間はかかるかもしれないけれど、それぞれの思いを込めて。1日限りのカフェがオープンしました。
(記者)「予約のお客さんで席は満席。接客に決まったセリフやマニュアルはない。話しやすい自分の言葉でコミュニケーションをとっている」

客の多くは、きつ音の人やその家族です。体験談を交えながら、交流を深めます。
(鬼束さん)「入学式とか卒業式の返事の時は一番緊張する」
(客)「うちの子もそういう感じで、音読で言いづらかったりしているところ」
(鬼束さん)「音読のときに先生がタンバリンでリズムをとってくれた」

きつ音について知ってもらおうと、クイズも用意しました。
(初田さん)「きつ音がある人と同じクラスになったらあなたはどうしますか」
(子ども)「話しかける」
(初田さん)「正解。ほかの人と同じように話しかけてくれるとうれしいな」
(客)
「この子がきつ音で、ぜひ店員に会って立派に大きくなって、普通に働いたり学校に行ったりしているのを見せられたからよかった」
「同じ症状を持った人たちがいて、その人たちも頑張っているんだと思って自分も頑張ろうと思った」

接客の様子を優しく見守るふたり。高校1年生・初田さんの両親です。