2046年までに96%の事業体が水道料金「値上げが必要」…地域格差も問題に
小川彩佳キャスター:
目視できない水道管を人工衛星とAIでチェックする「宇宙水道局」というシステム、どうでしたか。

トラウデン直美さん:
人手で直接チェックしていく従来のやり方だと、時間も人材もコストも莫大にかかります。
「宇宙水道局」ではAIに学習させて、AIが「リスクが高い」という部分を優先的に見ていくことで、コストが抑えられるということです。リスクの高いところを見て、少しずつ変えるということが効率よくできるようにはなるので、注目のシステムだと感じました。
藤森祥平キャスター:
日本で破損のリスクが高い水道管は地球4周分ということで大変です。

老朽化対策は水道料金に関わってくる問題でもあります。宮城県石巻市の800メートルの水道管の交換には、約1億3000万円かかるという試算が出ています。
石巻市と東松島市には老朽化した水道管は約600キロあるそうですが、交換には約1000億円かかるということです。原資は利用者の水道料金です。

ある研究結果では、2046年までに水道料金の値上げが必要とされる事業体は96%とされています。
特に値上げ率が高くなるのは、人口減少率が高い地域や人口密度が低い地域です。水道の使用量が減少していくためです。

水道料金の推計比較(月)によると、2021年と比較して2046年には、東京では26%、石川県輪島市では84%、能登町では153%上がる見込みです。金額にすると、能登町では5440円から1万3747円となってしまうかもしれません。
トラウデン直美さん:
人口が密集していない地域では、老朽化しても原資になるお金が足りないことで、チェックも遅くなるように思います。老朽化していてもギリギリで保っている地域は、たくさんあるのではないでしょうか。
「宇宙水道局」のようなシステムを導入するなど、それぞれの地域に合った形で、長い目で見てどういうシステムがいいのかを考えていかなくてはいけないと感じます。
そうでないと、大きな地震や災害の際に耐えられなくなってしまいますし、起こってからでは遅いということになりかねません。
小川キャスター:
地域による格差があってはならないのがインフラです。