広島市 松井一実 市長
「(Q.原爆資料館 過去最多の入館者について)広島サミットで平和の発信とともに広島の魅力を世界各国に発信できた、そのことによる成果であると思っています」

さらに、いまも戦闘が続くウクライナやガザ地区。不安定な世界情勢も、核兵器や平和への関心を高める要因になっているようです。

オーストラリアから
「ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナ、多くの紛争が続いています。政治的な対立の中で見失いそうですが、原爆資料館に来ると命の大切さを考えさせられます」

スペインから
「原爆は100年近く前のことなのに今も他の国で戦争が起きている。悲しいです」

インドネシアから
「(Q.サミット後、何か変わった?)とても紛争が増えたね。人々は歴史から何も学ばなかったようだ」

アメリカから
「平和学習の生徒たちがメモをとる姿を見て、本当にうれしくなりました。原爆資料館でも泣いてしまったし、原爆ドームを見ても涙が出てきました」

被爆地でのサミットでは、非公開で、首脳たちがそろって原爆資料館を見学し、被爆者との面会も実現しました。

岸田文雄総理(2023年5月21日 議長国会見)
「G7の首脳と胸襟を開いて議論を行い、『核兵器のない世界』に向けて取り組んでいく決意を改めて共有し…」

サミット最終日、岸田総理は「核兵器廃絶に向けて現実的な歩みを進めよう」と呼びかけたはずでした…。しかしサミットから1年、アメリカは臨界前核実験を実施しました。

原爆資料館にある「地球平和監視時計」―。“最後の核実験” からの日数を再びリセットして抗議しました。

原爆資料館 石田芳文 館長
「バイデン大統領は1年前、平和公園を訪れて、『核兵器のない世界』の実現に向けて思いを高めてもらったと思っていた。非常に残念です」

アメリカの議員からは広島・長崎の原爆投下を正当化する声が上がり、ロシアはウクライナ侵攻で核兵器の使用を示唆し、「核による脅し」を続けています。

イギリスから
「人間の記憶はとても短い。だからこそ戦争の怖さを発信し続けることが本当に重要です」

アメリカから
「戦争はよくない。今、世界で大変なことが起きている。だからこそ、ここに来たのです。そして核兵器と戦争をなくさないといけないと、より強く感じました」

サミットから1年。そして79年目の「原爆の日」を迎える被爆地・ヒロシマ。その役割はますます大きくなっています。