大規模停電、スマホの通信障害、人工衛星の落下…「太陽フレア」は神秘的なオーロラを発生させる一方、通信や電力系統などに深刻な影響を与えることもあります。そのメカニズムとは?太陽のさまざまな活動周期の分析から、来年は、これまでで最大規模の「太陽フレア」が発生する可能性も取りざたされているのです。
情報通信技術が進歩したことにより、江戸時代にはなかった“文明進化型の災害”に備える必要があります。過去の被害とは?今後どういった被害が想定されるのか…手作りフリップで解説します。
太陽フレアとオーロラ

こちらは江戸時代の書物。赤く放射状に描かれているのは、当時、京都から見えたオーロラではないかと考えられています。この時も大規模な太陽フレアが発生した可能性があるのです。
そもそも、どのようにして太陽フレアがオーロラをもたらすのでしょうか。

太陽フレアとは、太陽の表面で起きる爆発現象のことで、その際、電気を帯びた粒子である陽子や電子が放出されます。地球は大きな磁石と同じで、電気を帯びた粒子は、N極やS極に引き寄せられます。その際、大気中の酸素や窒素などと衝突することによって発光。これがオーロラです。
オーロラは、北極や南極付近で発生するため、通常、日本のような緯度の低い地域では見ることは出来ません。しかし今回は、大規模な太陽フレアが発生したことによって、通常よりも大きなオーロラが出現したため、日本からも見ることができたのです。ちなみに、オーロラは、高度によって色が変わるため、日本から見えたオーロラは高度の高い、赤い部分が見えていたということです。