新たに7か所の緊急避難場所・・・指定される施設が望むことは

 大槌町の平野公三町長は緊急避難場所がない地区の現状を重く受け止め、新たに整備する意向を示しました。

(平野公三 大槌町長)
「逃げる方々、安心したいということがありますので(避難場所の整備を)きちんと計画的にこの地区については進めなくてはならない」

県が示した想定によりますと大槌町では最悪の場合、人が住む平地の6割以上が津波で浸水する恐れがあるとされました。町内は防潮堤など計画されていたハード面の整備が完了したばかりですが、新たな脅威への備えを急ぐ局面に立たされています。

(大槌町防災対策課 三浦徹也さん)
「高台移転といいますか、(大震災で)浸水がなかった所に住宅を再建された方が非常に多いので、そういったエリアに今回浸水区域が広がったことがすごく説明に苦慮するだろうと心配したところです。丁寧に説明していかなくてはならない」

緊急避難場所に指定される高台の高齢者施設

 町は緊急避難場所の見直しを行い8月、新たに町内の7か所を指定する方針を示しました。新たに指定される吉里吉里地区の高台にある高齢者施設。東日本大震災の時、施設は緊急避難場所ではありませんでしたが、近隣に住む多くの住民が避難してきました。施設はこれまでお年寄りや体が不自由な人のための福祉避難所の役割を担ってきました。新たに緊急避難場所に指定されることで一般の避難者と介助が必要な避難者に加え、施設に入所している高齢者が一時的ではあれ一緒になることが想定されます。そんな中、施設が今最も心配しているのが感染症への対策です。

(堤福祉会 芳賀潤 総合施設長)
「雨だとか風が強いだとか雪が降っている中で、老人ホームの中の生活空間の中に(避難者を)入れない対策とか、ゾーニングの話とかそういう対策をしていくときに不足なものはきちっと行政の役割として支援してほしいし、そのへんの想定もこれからだと思います」