今、AI向けの半導体で圧倒的なシェアを獲得し、時価総額で世界3位に急成長しているのがアメリカの半導体大手エヌビディア。エヌビディアの半導体の強みは一体どこにあるのか、エヌビディア日本代表の大崎氏に話を聞いた。
大崎真孝日本代表に聞く エヌビディアの強さの理由

エヌビディアのアメリカ本社の副社長で、2014年から日本代表を務める大崎真孝氏。

エヌビディアは2024年に入り、時価総額でGoogleやアマゾンを抜いて、Microsoft、Appleに次ぐ世界3位となった。急成長の原動力となっているのが、AI開発に欠かせない半導体のGPUだ。

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
これが、GPUのトレイ。GPUが8つ並んでいる。これ全部で1秒間に1000兆回ぐらいの計算をする。
――CPUといわれる中央の演算装置があるが、それとは全く構造が違うのか?
エヌビディア 大崎真孝日本代表:
構造が全く違う。GPUはどちらかというと本当に計算をするためのもの。CPUはシステムのマネージメントをするというのが大きく分けて2つの役割分担で、司令塔と計算機みたいな感じだ。

GPUは「グラフィックス・プロセッシング・ユニット」の頭文字で、画像処理を行うための半導体として生まれた。

光の反射などを滑らかに再現するためには、1つ1つ画像の元となる点の色を指定するために、大量の計算を同時に行う並列処理が必要になるが、GPUはそうした並列処理に長けているという。
――最初からAIラーニングのための半導体を開発しようと思ったのではないのか?

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
例えば構造シミュレーションや、気象のシミュレーションや、流体シミュレーションという世界があるが、そこで、まず計算機として使われ始めた。そしてそれを使ってる人たちがAIディープラーニングを加速させようとして試しに使ってみたとき、ものすごく性能があがった。
――コンピューターの司令塔であるCPUの計算指令をより加速度的に早めるための装置、仕組みだということか。
エヌビディア 大崎真孝日本代表:
その通りだ。