今年4月上旬、大阪府岸和田市内に住む女性(60代)の携帯の着信音が鳴った。届いたのは、見覚えのないアドレスからの一通のメール。女性はメールに書かれるがまま、あるインターネットサイトに会員登録した。すると…
「私は美輪明宏です」。女性のLINEに届いたのは、あの有名タレント・美輪明宏さんを名乗る人物からのメッセージだった。
女性はやり取りを重ねるうちに、それが本人であると信じ込んでいった。
そして、最初のやり取りから一週間ほどが経ったある日、美輪明宏なる人物はこう告げたという。「私とこのまま話すためには『ポイント』が必要。そのために口座に1000円を振り込んで欲しい」。
女性は言われるがまま銀行へ駆け込んだ。しかし、ATMの使い方がわからない。どうしようか迷った女性は、取引のある馴染みの銀行員に声をかけることにした。
「金を振り込まないと、美輪明宏と話せない」。女性からこう聞いた瞬間ピンときた。「これは詐欺だ」と。池田泉州銀行久米田支店次長・坂野哲也さん(49)はすぐに警察へ通報。
女性には最初、『詐欺』と信じてもらえなかったというが、女性も駆けつけた警察官と話すうちに事態を呑み込んだという。
▼「お客様の様子をしっかり確認するとともに、普段からの関係性が重要」
そして、5月13日、大阪府警岸和田署は「特殊詐欺被害の未然防止に大きく貢献した」として、坂野さんに感謝状を贈呈した。
実は坂野さん、特殊詐欺を防ぐのはこれが二回目。特殊詐欺を見抜くポイントについてはこう話す。「お客様の様子をしっかり確認するとともに、普段からの関係性が重要。何かあったら迷うことなく相談してほしい」。
大阪府警岸和田署によると、市内では去年(2023年)、特殊詐欺による被害が29件(合計被害額:約1300万円)発生している。警察は金融機関との連携を強化するとともに、特殊詐欺への警戒を呼びかけている。
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