■大相撲夏場所・初日(12日、両国国技館)

初日を迎えた夏場所、横綱・照ノ富士(32・伊勢ヶ濱)が新小結・大の里(23・二所ノ関)にすくい投げで敗れ、黒星スタート。この日は大関陣も相次いで敗れ、1横綱・4大関の5人が“全滅”となり、大波乱の幕開けに。初日に番付全ての横綱と大関が休場せずに出場して総崩れとなるのは昭和以降では史上初となった。

結びの一番で照ノ富士は立ち合い左上手を取ったが、大の里の力強い寄りで土俵際に追い込まれると、上手も切られ、最後はすくい投げに屈した。先場所でも初日に錦木に敗れ、4日目から3連敗と精彩を欠き7日目から腰の負傷のため途中休場(2勝5敗8休)となった。

さらに初日から大関陣も総崩れ。大関2場所目の琴ノ若改め琴櫻(26・佐渡ヶ嶽)は大栄翔(30・追手風)に押し出しで敗れ、琴櫻としての“初白星”はお預け。霧島(28・音羽山)、貴景勝(27・常盤山)も力なく平幕力士に屈し、豊昇龍(24・立浪)は熱海富士(21・伊勢ヶ濱)との熱戦の末、上手投げで敗れた。

また、関脇の若元春、阿炎も敗れ、小結は三役復帰の朝乃山(30・高砂)が休場のため、三役力士では大の里が唯一の初日白星スタートとなった。

横綱・大関陣合わせて5人以上の総崩れは2006年秋場所(6日目)の横綱・朝青龍、大関の白鵬、千代大海、魁皇、琴欧州、栃東の6人以来。初日での波乱は昭和47年7月場所で大関・大麒麟、清國、琴櫻が3人揃って初日黒星となったが、横綱・北の富士が休場だった。