次が浅井選手なんですが、通算代打打率がプロ野球2位です。代打サヨナラ安打4回っていうのは球団1位です。

青山高治 キャスター
へえー。

コメンテーター 木村雅俊 さん
(中国新聞社 編集委員室 特別委員)
みなさん、知っていると思うんですけども、浅井選手といえば座席でのルーティン。右腕をまくし上げて、この太い腕を相手ピッチャーに見せつけるんです。これで、2軍でちょっとくすぶっていた時期があったんですけど開花した。三村敏之 監督がアドバイスして、取り入れて、相手を威圧しながら自分のスイングができるようになったという形なので。レギュラーがちょっときつかったのでなかなか…、代打でしたけども、すごく印象に残る左バッターですよね。

青山高治 キャスター
へえー。三村さんがこうやって、「お前のその太い腕を相手に見せて」ってアドバイスをされて…。当時、「左の浅井、右の町田」という代打がすごく盛り上がっていましたもんね。

木村雅俊 さん
そうなんですよ。この2人で終盤、カープはひっくり返す野球をよくやっていました。

セ・リーグ 代打通算打率
(起用300回以上・5月9日時点)
1 若松勉(ヤクルト).349
2 浅井樹(広島).315
3 宮川孝雄(広島).290
4 松山竜平(広島).288

5 高木由一(大洋).287
6 立浪和義(中日).285

中根夕希 キャスター
セ・リーグの代打通算打率を見てみますと、トップ6のうち半分はカープ。となるとカープって代打の名選手を輩出するチームカラーがあるのかなというふうにも思いますが…

木村雅俊 さん
ぼくもこの表を見たときにちょっとびっくりしたんですけど、かなりすごいデータだと思います。なんでだろうと考えた場合、明確な理由はわからないんですけども、ちょっと思うのは宮川さんの時代も浅井さんの時代も外野のレギュラーがものすごく強固で、そこになかなか入っていけなかったと。打つ方のセンスはものすごくあったので、チーム事情的に代打に回っていくと。宮川さんは入団4年目に代打専門になったみたいなので。いかにその時代の外野が強かったかということだと思いますね。

中根夕希 キャスター
競争率も高かったっていうことですね。

木村雅俊 さん
その中で松山選手ですけども、スタメンで一時期、出ていましたけども、今はもうベテランになってきたので代打専門になってきましたが、松山選手といえば、“おなじみのフレーズ” があると思うんですけど、調べてみて、彼の一番最初にお立ち台に立った日の映像を用意してもらいました。

初の「お立ち台」 2011年9月19日
広島カープ 松山竜平 選手

「じいちゃん、ばあちゃん きょう、俺やったよ」

青山高治 キャスター
これが初のお立ち台、2011年…。だいぶ今と感じは違いますね、おなじみのフレーズですけども。

木村雅俊 さん
顔も真っ黒だし、シュッとしている感じもありますよね。

中根夕希 キャスター
まだ若くて、なんかテンポ感が違いますね。「(腕を突き上げて)俺やったよ!」っていう感じじゃなくて、「俺やったよ…」ってちょっと恥ずかしさとかも…。でも、なんで鹿児島のじいちゃん・ばあちゃんだったんですか?

木村雅俊 さん
松山選手が大学に進学する際に祖父母が学費の足しにということで飼育していた牛を売って学費を工面してくれたんですね。それがあって大学行って、プロに入って4年目で初めてのお立ち台になったんですけども、あの日は2011年9月19日「敬老の日」なんですよ。

青山高治 キャスター
ああ。

コメンテーター 木村雅俊 さん
(中国新聞社 編集委員室 特別委員)
そのときに「じいちゃん、ばあちゃん ありがとう」って言ったのが、あれから十何年経ってあんなに洗練された、みなさんに響くフレーズになっていったということですね。

青山高治 キャスター
へえー。日にちの巡り合わせもあって生まれた名フレーズなんですね。今シーズンも、あと何回もあのフレーズをお立ち台で聞きたいなと思います。