65万7000人。これは「2040年に建設業界で不足すると予測されている人の数」です。職人の高齢化が進み、人手不足が加速している建設業界で、この春から新たに働き方改革が始まりました。

残業をできるだけなくすために

北九州市小倉南区で左官工事を手がける佐藤工務店は、創業35年で、業員は20代から70代までの30人です。現場では、コテを使って建物の壁や床にモルタルなどを塗った後、乾燥するのを待って仕上げの作業を行います。

佐藤工務店 佐藤功一 社長
「夏は乾くのがすごく早いんやけど、冬場は、午後5時に塗り終わったりすると乾くのが10時くらいになったりするし、乾き出した時におらんやったら、仕上がらんけ」

4月から建設業界でも始まった働き方改革。時間外労働は原則で月45時間以内、年間360時間までに制限されます(災害からの復旧・復興を除く)。佐藤工務店では塗る時間や量を調節して、なるべく業務時間内に終わるようにしていますが、予定外の出来事が起きると残業が発生してしまいます。

佐藤工務店 佐藤功一 社長
「工期は絶対に守らないといけない。お客さんの要望に100%応えるために、残業できなくなった人は、残業できる職人さんと入れ替えてでもしないといけないかな」