イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ南部のラファで地上作戦を開始するなか、現地に滞在するジャーナリストがJNNの取材に応じ、大勢の市民が一斉にラファからの退避を始めたと明らかにしました。
ラファで取材を続けるパレスチナ人ジャーナリストのサミ・アブ・サレムさん。現在はラファ中部に滞在しています。
パレスチナ人ジャーナリスト サミ・アブ・サレムさん
「見えますか?このようにマットレスを積んだりして、きのうから何万人もの人が、ロバや車などを使ってラファから脱出しています」
イスラエル軍は6日、ラファ東部の一部エリアに対して避難勧告を発表し、7日に限定的な地上作戦を開始しました。
これに伴い、今後イスラエル軍がラファへの攻撃を強めるのではないかとの懸念から、南部最大都市のハンユニスを目指して退避する人が続出しているということです。しかし…
パレスチナ人ジャーナリスト サミ・アブ・サレムさん
「避難すると話していた人たちで、どこに逃げればいいか分からないという人も多くいる。行き場所がないのです」
避難先でも、仮住まいのためのテントを設置するスペースが十分にない状態だといいます。また、避難できない人もいると話します。
パレスチナ人ジャーナリスト サミ・アブ・サレムさん
「モスクが見える?ここにも人が住んでいます。お金がなく、ラファから退避することすらできないと話していました」
停戦交渉をめぐっては、イスラム組織ハマスが提案の受け入れを発表しましたが、その後すぐにイスラエル側が「受け入れられない」とする声明を出しました。
イスラエルの国防相が人質解放をめぐる交渉がうまくいかないのなら「作戦を強化する」と話したほか、ハマス側はラファへの攻撃が続く限り、合意はないと警告するなど交渉の行方は未だ不透明なままです。
一方、ロイター通信は交渉は7日にエジプトで再開され、8日も行われると報道。アメリカのカービー大統領補佐官は「両者の溝を埋めることはできる」と話し、合意に期待感を示しています。
国連 グテーレス事務総長
「パレスチナとイスラエルの人々にとって決定的に重要な局面にいます」
国連のグテーレス事務総長はラファへの本格的な地上侵攻は「人類にとっての大惨事になる」とし、イスラエル、ハマス双方に停戦を呼びかけています。
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