丹野さんと同じく、若年性認知症当事者の山中しのぶさん。
認知症をテーマにしたドラマを見ていたときに、『認知症の症状を持つ主人公に似ている』と息子さんに指摘されたことがきっかけで、2019年に診断を受けました。

山中しのぶさん
「私の中では時間の感覚のずれというのが、最初の気づきになりました。」

認知症との診断にショックを受け、一時は鬱症状に悩まされたこともあったという山中さん。
それでも、自分のように悩み苦しむ認知症患者の助けになりたいと、一般社団法人「セカンド・ストーリー」を設立。
2022年10月には利用者が有償でボランティア活動を行うデイサービス「はっぴぃ」を開所するなど、新たな挑戦を続けています。

山中しのぶさん
「人と出会うとか人と会うっていうのがすごく元々大好きなんです。
私の家族は、私が認知症だからとか関係なしにやりたいことをやらせてくれます。
東京も1人で行くんですけど、初めの方は迷子とかなって、電車とかも間違えて違う方向に行ってしまったこともあるんですけど。
本当に困ったらタクシー乗っていいって言われてるんですよ。なので、もう安心して出かけられる。
『本当に困ってどうしようもないんだったら、タクシー乗ってお金使こうてもかまわんがや』っていう家族なので、私は本当にやりたいこともできますし、症状も本当に安定してます。」

まだ根本的な治療法が見つかっていない認知症。
それでも、認知症になったからといって悲観的にならないでほしいと丹野さんは言います。