考古学者・山﨑真治
「分かります?ここに貝があって、向こうに続いているんですけど、ほら貝。そしてここに石があるでしょ」


「この石の下に、細長いものが見えています。これは恐らく骨ですね。ヒューマンボーン(人骨)」「あ、ホントだ。隣にもあるね。すげぇすげぇ」

骨の近くに、ホラ貝がありました。ホラ貝は、3000年ほど前の人の墓で見つかります。葬送品として遺体の近くに置く風習があったからです。また、この洞くつのすぐ近くには、貝塚時代の竪穴式住居の跡、仲原遺跡がありました。

考古学者・山﨑真治
「いや、素晴らしい。大発見じゃないですか。仲原遺跡の時代が3000年前なので、3000年前くらいの年代が出ればそういう時代のものであると、要するにセットで考えられるのは非常に大事だと思いますので」

詳しい調査に進みたいところですが、1か月の調査期間は、翌日が最終日。さらなる調査は、次年度の予算がおりるまで、お預けとなりました。

Q:人骨が見つかった。延長しないのか?
「みなさんの仕事もそうでしょ。オレの番組作りたいからあと2週間延長してロケって出来ないでしょ。そんな感じ。世の中みんな制約のなかで仕事をしているので」

考古学者・山﨑真治
「沖縄の旧石器時代の歴史は謎だらけで、こういう場所ではたぶんサキタリ洞とは違う暮らしをしていたんじゃないかと思う。また違った暮らしがあったんじゃないかと思うので、少しずつ古代のロマンや人類のルーツを明らかにできるといいな」

沖縄の洞くつを掘り続けている山崎が、今、もっとも惹かれている洞くつが、
沖縄本島北部の、とある場所にあります。

「気を付けて、滑りますから!」
「鍾乳石に覆われていて…こんな人骨は見た事がない」

「沖縄の人たちのルーツや日本列島人のルーツに迫る、大変重要な手がかりになる」
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【取材後記】吾津洋二郎
先史時代の骨を保存してきた沖縄の洞窟のポテンシャルは、伊計島の事例をみるだけでも凄いのですが、実は、VTRの最後に少しだけ登場した洞窟からは、さらにとんでもない人骨が見つかりました。遺跡の保存の観点から、まだ場所を明かすことができないその洞窟では、鍾乳石に覆われた謎の全身骨格が横たわっていたのです。この人骨は、いったいいつの時代の、誰なのか。
謎を解き明かす調査に3年間密着したドキュメンタリー「RBC創立70周年特番・鍾乳石に埋もれた古代人骨の謎を追え」が5月1日午後7時、RBC「NEWS Link」のあとの時間に放送されます。ぜひご覧ください。