決着、そして…

延長戦の末、パリへの切符を掴んだのは永山選手だった。激闘の後、先輩の声が耳に届いた。

髙藤:
頑張ったなっていうのと、オリンピック頑張れよっていうのを声かけて…やっぱり戦った僕らにしかわからない感情っていうのがあるので、本当によくあそこから巻き返して、どんだけの気持ちで望んできたんだろうって、もうそこに対して本当すごいなっていうのと、本当に頑張ってほしいっていう、そういう気持ちで声はかけれました。永山選手だったからこそです。

永山:
やっぱり高藤選手がいたから自分はここまで成長できましたし、ずっと自分の壁であり続けてくれたので、自分の柔道人生にとってかけがえのない存在だなと思います。自分の柔道人生の中の一番のベストバウトになるんじゃないかなってすごい思えました。60キロ級を背負ってきた先輩からバトンを渡されたという、必ず金メダルを獲らないといけないと思ってます。

壁を越えてたどり着いた夢の舞台への切符。それは周りにも大きな変化となる。真冬の北海道・美唄市、故郷は初の五輪選手誕生に沸いていた。競技人生の出発点となった場所で柔道教室を開けば、目を輝かせた子供たちが駆け寄ってきた。

故郷・美唄市で金メダルへ意気込み

永山:
やっぱりこの生まれ育った美唄の地にパリ五輪で自分らしい一本を取る柔道をして、金メダルを美唄の地に持ち帰っていきたいと思います。

パリ五輪柔道男子60キロ級は7月27日(土)に行われる。