今週、県内各地の小学校では入学式や始業式が開かれ、新1年生はランドセルを背負い、在校生たちは「式服」を身にまとって、新しい生活をスタートさせました。

しかしこのランドセルや式服、必ず用意しなければならないと明確に決まっているわけではありません。これらは本当に必要なのか、学校現場を取材しました。(2025年1月24日記事更新)

新たな生活がスタートする4月。小学校では期待に胸を膨らませたピカピカの1年生たちが入学式を迎えます。その小さな背中には、大きなランドセル。子どもたちの嬉しそうな表情を見るとほっこりしますが…

金城明咲ちゃん
「いつもは水筒と体育がある時は体育着と筆箱。(Q.教科書も?やっぱり重たい?)重たい」

4月に小学3年生に進級した金城明咲ちゃん。もちろん最初はピカピカのランドセルに心を躍らせたといいますが、今ではー

金城明咲ちゃん
「重いから別のカバンにできるなら変えたい、(Q.軽いやつ?)うん」

一方で、来年小学校に入学を控える咲奈ちゃんはー

金城咲奈ちゃん
「紫色の可愛いランドセルがほしい」

やはりランドセルへの憧れがあるようです。

ランドセルの重さに関する意識調査を行っているフットマーク社によりますと、小学校1年生から3年生までのランドセルの平均の重さはなんと4.28キログラム。中には10キロを超えるケースもあり、子どもの9割は「ランドセルが重い」と回答している実態があります。

さらにー

年々高価になるランドセル「大人でも5万円のカバンは・・・」

母・金城恵美さん
「高価ですごく高くて、簡単には買えないものですよね」

父・金城歩さん
「高いね、高いけれど子どもは憧れを持っている部分はあるので、子どもの気持ちに寄り添って買ってあげたいなというのはあった」

家計に大きな影響を与えるのがその価格。ランドセル工業会の調査によると、今年の平均価格はなんと5万9238円。今から35年前の平成元年は2万8000円と当時の倍以上の価格なんです。

こうしたなか、去年11月に沖縄市の山内小学校から幼稚園と小学校の保護者へ1通の通知が。その内容は、子どもたちの通学カバンは「ランドセルでなくてもいい」というものでした。

山内小学校 森山涼子 前校長
「(ランドセルは)高価なんですよ、私たち大人も5万円のカバンを持っているかといったら持ってないですよね、実は。規則ではないけど文化として踏襲してきたわけですよね。規則ではないので、お選びください、とリマインド(改めて周知)したつもりです」

山内小学校・前校長の森山涼子さんは、ランドセルの価格やその重さが以前から気になっていたといいます。多様な家庭環境や社会情勢に、学校がどう寄り添うか。通学カバンのルールを他校や教育委員会に確認した上で文書にして通知し、「買う・買わない」の選択を委ねることを決めました。

山内小学校 森山涼子 前校長さん
「(ランドセルを)用意するのは非常に難しいという家庭もある、切り詰めながらだけど、この子のランドセルだけは、という方たちもいると思う。とにかく心配せずに小学生になってほしかった」

金城歩さん
「軽いカバンを持たせられるのであれば、それは親としても安心だし、それは選択肢が増えるという意味ではとてもいいことだと思う」

沖縄独自の「式服」の負担を見直す学校もー

県内では、入学式や始業式に修了式など、学校生活の節目で子どもたちが着用している「式服」の扱いも変化を見せています。