4月9日、富士山で「スラッシュ雪崩」が発生しました。春先の強い雨が引き金になったとみられます。
山肌を流れ下る大量の土砂。山梨県鳴沢村の標高およそ2,000メートルに設置したカメラがスラッシュ雪崩をとらえました。
スラッシュ雪崩とは、大量の水分を含んだ雪が土砂を巻き込みながら、流れ下る現象。9日午前8時20分頃に最初に発生し、その後も何度もスラッシュ雪崩が確認されています。富士宮市のカメラにもしぶきを上げながら、土砂が勢いよく流れる様子が記録され、水位を計るポールも飲み込まれました。
このスラッシュ雪崩で、過去には大きな被害が出たこともあります。
<野路毅彦アナウンサー>
「富士宮口から新5合目まで登るこの富士山スカイラインを土砂が寸断しています。5合目のレストハウス、その屋根にかなりの高さで土砂が乗っています」
2007年3月下旬に発生したスラッシュ雪崩では、道路が多くの場所で寸断されたほか、落石防止のフェンスもなぎ倒し、建物も無残な姿となりました。スラッシュ雪崩は春先に毎年のように起きていて、今回も条件がそろっていました。
<田中健太郎気象予報士>
「9日は低気圧が近づいてきたことで、朝、静岡県内は荒れた天気となっていました。スラッシュ雪崩が発生した8時20分頃、ちょうど富士山周辺でも活発な雨雲がまとまった雨となりました」
静岡県内では、8日夜から9日午前にかけて低気圧の影響などにより、広い範囲で強い雨が降り、多いところでは24時間雨量が100ミリを超えるところもありました。
<田中健太郎気象予報士>
「春は急激に気温が高くなったり、まとまった雨が降ったりして、雪が溶けやすくスラッシュ雪崩に注意が必要な季節です。下流や市街地まで影響が出ることはまれですが、渓流に近づかないなど注意が必要です」
今回、流れくだった土砂は、砂防施設の遊砂地が受け止めたため、これまでに被害の情報はないということです。富士砂防事務所では監視を続け、今後、流れ出た土砂の量を把握するための調査をする予定です。
注目の記事
びわ湖の水位「-71cm」で“道”や“石垣”現れる 漁師たちは大打撃「次世代が漁をしていけるのかが一番問題」県などに改善求める声

「地域の宝」守りたい 部活動の地域移行が活発化も…全国大会32回出場”名門”マーチングバンドも資金調達に苦戦 富山

「私、見えますか?」画面に現れた制服の男…記者が“ニセ警察官”とLINEビデオ通話で直接対決 その結末は…【後編】

忘年会「参加したい」若者4割の裏で…「行きたくない」50代の切実な理由 昭和を知る上司世代の“ハラスメント”恐怖

「風邪薬」をジュースやスポーツドリンクなどで飲んでも大丈夫? 子供にアイスを混ぜた薬をあげてもいいの?【薬剤師に確認してみた】

新「映像」発見 80年の時を経てゾウの「エリー」が伝える戦争 “戦時猛獣処分” 絵本「ごめんねメリー」原画も展示 熊本【戦後80年つなぐ、つながる】









