反撃したいカープは、7回ウラ、ヒットとエラーで3塁・2塁のチャンスを作り、打席には今シーズン初スタメン、35歳の 會澤翼 。「ランナーを返せてよかった」と執念の2点タイムリーツーベースヒット。若手が台頭するチームでベテランが存在感を放ちます。

8回ウラ、2アウト・2塁・1塁とチャンスを作ったカープ。「代打を出されることも覚悟した」という5番・上本崇司 が 新井貴浩 監督の期待を背負って打席に立つと「死んでも打つ」と決意の一振り。これぞ、執念。気合・闘魂。ついに同点に追いつきます。

最高に盛り上がるマツダスタジアムの中心にとっておきの代打・松山竜平 。左投手のスライダーをうまくすくい上げて、技ありの今シーズン初ヒットで2人が生還し、一気に勝ち越します。

さらに、広島一丸の押せ押せムードに乗ったのは、矢野雅哉 。必死に練習してきたバッティングで結果を見せつけます。怒とうの3者連続タイムリーは、同点、勝ち越し、ダメ押し。

9回は、守護神・栗林良吏 がきっちり三者凡退に抑え、カープが鮮やかな逆転勝ちで3連勝を決めました。( 広島 6ー3 ヤクルト )

そして、ヒーローインタビュー。去年はおじいちゃんが亡くなったばかりで封印していた松山のあのフレーズが飛び出します。

広島カープ 松山竜平 選手
「あしたからもしっかりチームの力になれるように。そして、きょう、なんとかヒーローになれたので一発目。鹿児島にいるばあちゃん! 天国にいるじいちゃん! きょう、オレ、やったよー!」

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青山高治 キャスター
桑島さん、これが見たかったんですよね

コメンテーター 桑島美帆 さん(中国新聞社 文化担当記者)
松山選手に感動しました。今でも余韻に浸っています。本当にいい試合でした。

青山高治 キャスター
あらためてベテランの力、大きいなと思いました。

中根夕希 キャスター
そうですね。ベテランがいてこそ、若い選手たちも伸び伸びとプレーできるんだろうなと思うので。今はベテランが活躍しているけれども、いずれ必ず若い選手たちが爆発するときが来ると思うので、そこもまた楽しみです。

青山高治 キャスター
今、チームの雰囲気もすごくよさそうで、若い選手たちも経験を積みながら、まさに戦いながら強くなるチームだなというのが伝わります。

中根夕希 キャスター
試合終盤にたたみかけるようにヒットをつないでいって、この点数の入り方。ことしのカープも勢いづくとこわいなという印象がつけられたのじゃないかと思いました。