打ち手も避難中の被災者 町に帰れない葛藤も…絶やせない“太鼓の音”


北陸新幹線、敦賀開業の日。公演時刻が近づくにつれ、金沢駅の鼓門には多くの見物客が集まってきました。

誰からともなく地震の話に

本番直前の控え室。それぞれ自分の動きをイメージし集中力を高めます。メンバーが集まる数少ない機会とあって誰からともなく、話題は地震のことに。

「り災証明もらった?」「もろた。もろたけど…俺のところで準半壊…」「あんなに土砂被っとるがに?」「公費で潰してくれらん?」「ううん」「自分け?マジで?」

当然のことながら打ち手も全員が被災者。それでも太鼓の音を絶やすわけにはいきません。

復興の願い込めた演奏 金沢駅前で披露(3月16日)

苦境を感じさせない荒々しくも勇壮な演奏。訪れた大勢の観衆は息をのみました。

「感動した。来てよかった」「ありがとうございます」「ニッポン男児ここにありよ、素晴らしいと思った」

江尻一希さん
「名舟の人、周りにいっぱいいた。見た感じ、涙流している人多かったんじゃないかな。名舟の音をやっと聞けたっていう感じでね」