国土交通省が発表した2024年の公示地価は人流回復やインバウンド復活などで、全用途の全国平均が2023年より2.3%上昇した。伸び率は、バブル期以来33年ぶりの高さだ。
公示地価2.3%上昇 33年ぶり高い伸び率

千葉市の幕張豊砂駅から400メートル、徒歩5分ほどに位置する会員制の大型スーパー「コストコホールセール幕張倉庫店」。この場所は去年と比べて地価が27.1%上昇した。東京圏で最も高い上昇幅だ。

幕張豊砂駅は2023年3月に開業。東京駅から35分と、交通の便が良いことに加え、駅前には大型商業施設やホテル、家族向けの広場もある。
不動産マーケットに詳しい吉野薫さんに、地価上昇の理由を聞いた。

日本不動産研究所 シニア不動産エコノミスト 吉野薫氏:
駅を中心に商業施設が立地して、また住宅地も立地して、車がなくても生活しやすいというのは1つのトレンド。賑わいが増えたことが、地価を押し上げる要因になっていると考えられる。

また、幕張エリアには多くのマンションが建ち並んでいる。東京23区の新築マンション価格は2023年に1億円を超えたが、このエリアの住民に聞いてみると…
「安い価格だと4000万から8000万位が一番多い。すごいコスパいい感じ」「近くに大きいショッピングモールがあったり、スーパーも充実しているので、暮らしやすい。子育てにいいのかなという印象はずっとあった」
日本不動産研究所 シニア不動産エコノミスト 吉野薫氏:
一般のファミリー層がやや離れていても、利便性の高いエリアでマンションを買い求めたり、値段のこなれた戸建住宅を買い求める動きは実際にある。

2024年の公示地価は、住宅地、商業地、工業地を合わせた全国の平均が2023年より2.3%上昇した。

中でも大幅に値上がりしたのは、半導体メーカーTSMCが工場を開所した熊本県だ。