台湾の馬英九前総統が、中国南部の深センに到着しました。中国滞在は11日までの予定で、習近平国家主席と会談するかどうか、注目されています。

台湾 馬英九 前総統
「両岸(台湾と中国)の情勢がますます緊張する中、台湾の人たちが平和を愛し、戦争を避けたいという気持ちを(中国側に)伝えたい」

台湾の馬英九前総統は日本時間の午後3時半ごろ、広東省・深センの空港に到着しました。

馬前総統は中国に融和的な姿勢の最大野党・国民党に所属し、中国を訪問するのは去年に続いて2回目です。

出発前から取り沙汰されているのが、習近平国家主席と会談するかどうかです。実現すれば9年前の中台首脳会談以来となりますが台湾の市民らは…

台湾市民
「会っても会わなくても同じでしょう。台湾側は何も決められないから」
「馬英九(氏)はただの『前総統』だから、本質的なことは決められないよ」

台湾政治の専門家は、会談の実現には、中国側と国民党側がともに5月に発足する頼清徳政権に対し、攻勢を仕掛けるための政治的決断ができるかどうかだと指摘します。

法政大学法学部 国際政治学科 福田円教授
「(馬前総統と習主席が)会ったことによって、今の(台湾の離島)金門島の緊張が無くなるとか、中国から台湾へ行く旅行者とか留学生は、コロナ後、解禁されていないので解禁するとか、要するに民進党政権に打撃を与えられないと意味がないので」

台湾メディアなどは、馬前総統と習主席は8日に会談する可能性が高いと伝えています。